【エミー賞ノミネート】真田広之主演・プロデュースの『SHOGUN 将軍』が音楽部門で歴史を作る

2024年7月18日 2024年7月18日 ※本ページにはアフィリエイト広告が含まれます

7月17日（水）、アメリカのテレビ業界で功績を残した番組に与えられるアワード、エミー賞のノミネート作品が発表され、ディズニー制作／真田広之主演＆製作の『SHOGUN 将軍』が作品賞をはじめとする多数の賞にノミネートされた。その中でも音楽部門でのノミネートは特筆すべき点だろう。

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1 歴史的なエミー賞ノミネート
2 石田多朗について
3 『SHOGUN 将軍』サウンドトラックの制作について
4 雅楽・日本の伝統音楽によるアレンジについて

歴史的なエミー賞ノミネート

日本人がエミー賞の音楽部門2部門（Outstanding Music Composition For A Series (Original Dramatic Score) / Outstanding Original Main Title Theme Music）にノミネートされることは非常に稀であり、日本の伝統音楽や雅楽が関わる音楽がノミネートされたのは歴史上初めてのこと。

今回の『SHOGUN 将軍』の劇中音楽とテーマ曲の編曲やレコーディングを担当した石田多朗（Drifter Inc.）は、国内外で注目されており、「物語とともに、それを重層的に仕立てている音楽にも注目してほしい」とコメントをしている。

石田多朗について

石田多朗は、栃木県那須町在住の作曲家で、国内でも珍しい雅楽を扱う作曲家として知られている。東京藝術大学で音楽を学び、これまで美術展の空間音楽や大手企業のPR映像に使用する楽曲など、幅広い制作活動に携わってきた。10年前から雅楽の作曲を始め、これまでさまざまな活動を展開してきたことで知られる。

『SHOGUN 将軍』サウンドトラックの制作について

約2年にわたり続いた『SHOGUN 将軍』サウンドトラックの制作。石田はアカデミー賞受賞作曲家でもあるアッティカス・ロスをはじめとしたロサンゼルスの作曲チームから依頼をうけ、雅楽や日本伝統音楽に関するさまざまなアレンジやレコーディングを実施。

栃木県那須にあるスタジオで採譜や編曲・アレンジなど作業をし、レコーディングは東京をはじめ国内のさまざまな場所で行われたそうだ。雅楽楽器、尺八、声明（お坊さんの声）、胡弓、法螺貝、三味線、唄などなどレコーディングには総勢で数十名にわたる日本伝統音楽家が集結し、ロサンゼルスにいるアッティカス・ロス、レオポルド・ロス、ニック・チューバとリモートでやりとりをしながらレコーディングやアレンジの作業を進めた。雅楽の演奏は日本を代表する雅楽団体「伶楽舎」のメンバーに依頼をしている。

雅楽・日本の伝統音楽によるアレンジについて

「シンプルな古典曲の旋律だけを使うことで、楽器の最も朗らかな音を表現することにこだわった」と話した石田。制作過程では、時代性の異なる楽器を織り交ぜたり、拍と音のズレをあえて残したりするなど、定型を打ち破る発想が次々に取り入れられた。また、「アッティカス・ロスたちは日本の伝統音楽の常識に良い意味でとらわれていなかった」と振り返っている。

今回のエミー賞へのノミネートは日本の伝統音楽や雅楽が世界にも通じる音楽であることを証明するものとも言えるだろう。