2024年も残り半年を切ったが、今の時点での2024年ベスト海外ドラマを英メディアDigital Spyが紹介している。日本未公開作品も含め、新作ドラマを中心に見ていこう。
目次
Netflix『私のトナカイちゃん』
クリエイター・製作・主演を担ったリチャード・ガッドの実体験をベースにしたストーカーがテーマのNetflixドラマシリーズ。
本作の主人公は、売れない芸人のドニー・ダン。ある日ドニーは、寂しそうな女性マーサに親切にしたことで彼女の恐ろしい執着心に火を点けてしまい、それぞれの人生を狂わせるような事態に発展していく……。
なんといっても今年最も話題になった新作ドラマの一つだろう。ストーカーのモデルとなった女性から訴えられるなどし、ニュースのヘッドラインやトークショーを席巻。インターネット上でも多くの議論を引き起こした。口コミによってNetflixの史上最も視聴されたシリーズのチャートに入ったのも驚きではない。
Channel 4『Big Mood(原題)』
『ブリジャートン家』のニコラ・コーグランと『IT'S A SIN 哀しみの天使たち』のリディア・ウェストが共演するコメディドラマ。
双極性障害を患っており、薬をやめてしまったことで精神的な危機に陥るマギーと、経済的な問題や元恋人との関係に悩むエディ。長年の親友であるそんな二人を主人公に、女性の友情とメンタルヘルスの複雑さを描く。
深刻なテーマを取り扱いながらも、90年代や2000年代のリファレンスが満載で、ミレニアル世代にはたまらないユーモアが満載だと評価している。
Prime Video『Mr.&Mrs.スミス』
2005年に世界中で大ヒットした同名映画をリ・イマジネーションしたドラマシリーズ『Mr.&Mrs.スミス』。
新たな身分を手に入れるため、諜報活動と結婚のパートナーとして結ばれたジョンとジェーン。諜報活動をしながら輝かしい生活を手に入れた夫妻は毎週新たなミッションに挑むが、そのうちに二人の関係に変化が起こっていく。互いの本音に気づき二人の関係に亀裂が入り始めたとき、彼らは一緒にいるために戦わなければならない――離婚という選択肢はないのだから。危機に陥っているのは、果たしてスパイ活動と結婚、どちらなのか?
映画に登場するカップルをドナルド・グローヴァー(『アトランタ』)&マヤ・アースキン(『オビ=ワン・ケノービ』)が演じているが、単なるリメイク作品の枠に収まらないとしている。
「これもまたよく作られるリメイクの無味乾燥な作品なんじゃないかと恐れる人にとって、本作は違う。映画にあった始まりのコンセプトと主人公の名を借りているだけで、類似点はそこだけ」と、コメントしている。
ITV『Breathtaking(原題)』
『ダウントン・アビー』のジョアンナ・フロガットが主演を務め、Covid-19(コロナ)パンデミックのはじまりにおける医療現場の実態を描いた注目作。
NHS(イギリスの国民保健サービス)コンサルタントであるドクター・クラークの回想録をベースとしており、医療スタッフが直面した恐怖とフラストレーションをリアルに再現している。
ドラマは視聴者にとって非常に感情的であり、特にパンデミックの経験がトラウマになっている人々にとっては観るのが難しいかもしれないが、そのリアリティと感動的なストーリーテリングは一見の価値がある。
Netflix『エリック』
ベネディクト・カンバーバッチが主演・製作を務めるNetflixオリジナルシリーズシリーズ。
ある日、突如行方不明になってしまった愛する9歳の息子エドガーを、必死に捜し続ける父ヴィンセントは次第に不安定になり、「息子が描いた“絵”の青いモンスター“エリック”をテレビに出演させられれば、息子が帰ってくる」という奇怪な妄想に取り憑かれていく…。
Digital Spyのレビューでは見事5つ星を獲得。賑やかな1980年代のニューヨークを舞台に、複雑なテーマを織り交ぜた豊かなストーリーテリングが特徴だと評価している。
Netflix『Supacell/スーパセル』
6月に配信が開始したばかりのイギリス発のSFアクションドラマ。
『ドクター・フー』のライアン・シンクレア役で知られるトシン・コールが主演を務める本作に登場するのは、念動力、透明化、高速化などとんでもない超能力を使えるようになった南ロンドン在住の5人。配達ドライバーのマイケルは未来にタイムトラベルし、婚約したばかりのディオンヌが命の危機に瀕していることを知ってしまい…。
スーパーヒーローのテーマを通じて、現代のブラック・ブリティッシュの経験や文化的多様性を深く掘り下げた内容となっており、普通の人々が突然得た超能力をどう扱うかを描いている。
Channel 4『Queenie(原題)』
キャンディス・キャシー=ウィリアムズによる同名小説を英Channel 4がドラマ化。
主人公はロンドンに住むジャマイカ系イギリス人女性のクイーニー・ジェンキンス。ジャマイカとイギリスという二つの国の文化の間で揺れ動きながらも、どちらにも完全には馴染めないと感じている。長年付き合った白人の恋人との辛い別れを経験したクイーニーは、自己価値を確認するために危険な関係に手を出し、何度も間違った選択をしてしまう。これらの関係や決断を通じて、彼女は自分のアイデンティティや生きる意味について問い続けるが――。
Digital Spyによると、『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズと比較されることも多いが、この物語が女性の経験の深層にまで到達していると主張。特に主人公を演じるまだ女優デビューをしてから数年のディオンヌ・ブラウン(『クリミナル・レコード』)のはまり役と評価している。
(海外ドラマNAVI)
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Photo:Netflixシリーズ『私のトナカイちゃん』『エリック』『Supacell/スーパセル』は独占配信中/『Mr. & Mrs. スミス』Prime Videoで独占配信中 © Amazon MGM Studios