何年もの間、更新されていくお気に入りのドラマを見続けるのも海外ドラマの醍醐味だが、週末にサクッと完結まで見終えてしまいたいという気分の時もあるだろう。そんな時におすすめしたい、面白さが約束されているNetflixのミニシリーズ(リミテッドシリーズ)5選をご紹介しよう。
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ミニシリーズ(リミテッドシリーズ)とは?
海外ドラマを探すときに目にするミニシリーズ(リミテッドシリーズ)とは一体何のことを指しているのだろうか? 複数のシーズンからなり、途中で打ち切られることも珍しくないドラマシリーズに対し、はじめから話数が決まっていて、1シーズンできちんと完結されているものをミニシリーズ(リミテッドシリーズ)と呼ぶ。
制作側の意図通り完結まで映像化できていることから、傑作が生まれやすいのもその特徴と言えるだろう。忙しい日々の中、限られた時間で満足できるドラマを見たいと思っている人には特におすすめだ。
Rotten Tomatoes(ロッテントマト)で100点評価を得たNetflixミニシリーズは以下の通り。
『汚れなき子』(全6話)
監禁されていた場所から逃げ出した金髪の女性“レナ”。無我夢中で走り、森を出た途端に車で跳ねられ大けがを負うが、一緒に逃げてきた少女と共に救助され、病院に運ばれる。捜査官たちはさっそく少女から話を聞くことにするが、両手をこちらに見せ「ルールを守っている」と毎回知らせてくる彼女の謎行動に疑問を覚える。少女は“レナ”のことを母親だといい、弟のジョナタンは家に残されたままだと言うが…。
一方、“レナ”について知った警官のゲルトは彼女の見た目と年齢から、13年前に行方不明になったままの少女ではないかと思い彼女の両親に連絡をする。しかし、“レナ”を一目見た彼らの反応は驚くべきものだった――。
ロミー・ハウスマンのデビュー作である同名小説を原作とした、ドイツ発の全6話からなるミニシリーズ。単なる監禁事件にとどまらず、謎が謎を呼ぶ展開に釘付けに。少しずつ明らかになるヒントをもとに推理するものの、最終話までに何度もその予想は裏切られるだろう。
“レナ”に扮するのは、同じくNetflixシリーズ『スカイラインズ -危険なビジネス-』への出演で知られるキム・リードル。捜査に当たるアイダに『アインシュタイン ~天才科学者の殺人捜査~』のヘイリー・ルイーズ・ジョーンズ、“レナ”の母親に『DARK ダーク』のジュリカ・ジェンキンスら。
『アスンタ・バステラ事件』(全6話)
2013年に実際でスペインで起きた最もショッキングな事件の一つ、アスンタ・バステラの殺人事件を描いたフィクションドラマ。
中国から引き取った養女のアスンタが行方不明になったと警察に届け出た両親のサリオ・ポルトとアルフォンソ・バステラ。だがすぐに捜査の目はこの二人に向けられる。
情緒不安定な母親の証言は本当に正しいのか? 父親のパソコンから出てきた娘の大人びたポーズの写真の数々…。怪しいところがないとは言えないこの両親だが、はじめから二人が犯人であると決めつけたうえで捜査を進める警官たちにも不信感が…。そして、明かされる衝撃的な事実が最後に。誰もが見終わったあと、この夫婦の現在を調べてしまうだろう。
『ケーブル・ガールズ』のクリエイターとして知られ、最近では『800メートルの恐怖:バルセロナ・テロ事件』の製作総指揮も務めていたラモン・カンポスが脚本とクリエイターを担当。出演は『あなたに触らせて』のカンデラ・ペーニャトリスタン・ウヨア。
『ユー・ドント・ノウ・ミー』(全4話)
イギリスの小説家兼法廷弁護士イムラン・マムード著の同名小説をBBCが映像化。彼の法廷での実際の経験が本作のインスピレーションになっている。
ドラッグディーラー殺しの罪に問われ、証拠の多さから有罪は間違いないと思われていた。そんな絶望的な状況でも無実を訴える男は、弁護士を解雇し自らの口で何が起きたのかを最終弁論で語り始める。それは、とある女性との運命的な出会いから始まったのだった――。
主人公の男を演じるのは、『シークレット・インベージョン』ベト役のサミュエル・アデウンミ。本シリーズで英国アカデミー賞テレビ部門主演男優賞にノミネートされている。一つ一つの証拠についてなぜそれが証拠として残っているかが彼目線のストーリーで語られる。検察側が手にしている物証的証拠は確かに存在しているが、実施にそこにいた人は誰で、起こした行動の理由とは何だったのか? 驚きのラストまで目が離せない!
『ザ・プログラム:詐欺とカルトと強制収容』(全3話)
アメリカに数多く実在する「問題児たちを更生する施設」で行われていたのは拷問ともいえるありえないほどの暴力と洗脳だった――。実際に矯正施設に隔離されていた元生徒たちが大人になり、報復のためにと作成したドキュメンタリーシリーズ。
問題となる施設アイビーリッジ・アカデミー。何百万も費やし、我が子の行いが良くなると信じ何の疑いもせずに全米からこの施設に親たちは子どもを送っていた――。のではなく、正確には真夜中に体の大きな男性にたたき起こされ、手錠をかけられて無理やり連れていかれていた。施設につくと真っ裸にされ、まるで囚人のように身体検査を受けさせられる生徒たち。ここでのルールは簡単だ。ほかの生徒とは一切話をせず、笑顔も禁止、窓の外を見れば殴られ、独房に入れられ、卒業が遠のいていく。ポイント制で評価される子どもたちはルール違反をするとその分施設にいる時間が伸びていくというシステムだった。告げ口をすればもちろんその期間が延びるため、親への助けも求められず、数年間もの間、虐待に怯えながら洗脳される毎日をなんとか生き延びるだけだった…。
今では廃墟となった施設で虐待や暴力の証拠を見つけながら過去を振り返る被害者たち。ここまで証拠が揃っていながらも、創設者は使い切れないほどの大金を手に入れ、今も捕まることなく自由に暮らしているという事実に驚きだ。
『ザ・プレイリスト』(全6話)
2006年にサービスを開始したスウェーデン発の音楽ストリーミングサービスSpotifyの誕生秘話が描かれるリミテッドシリーズ。
パイレーツ・ベイが社会問題として騒がれる中、音楽は「違法ダウンロード」をすることが当たり前だった当時。無料でしかも合法的に音楽を好きなだけ聴くことのできるプラットフォームを生み出す!と革命を起こすことにしたダニエル・イクだが、レコード会社からの承諾を得ることができないまま資金は減り続け、ローンチの日まであと数週間に…。プレッシャーに押しつぶされそうになりながらも、そんな状況をどう乗り越えたのかが創立者、弁護士、プログラマーらの立場からそれぞれの目線で語られる。
パイレーツ・ベイ、ナップスター、Pandora、MP3.com、など2000年前半から実際に音楽を聴くために使用してきた者としては、Spotifyの誕生には衝撃を受けたことを今でも覚えている。当時では考えられなかった「無料で合法、それでいてありとあらゆる曲が即時に流れる」をやりのけてしまった彼らの革命がスピード感抜群で語られ、見るものを引き込んでしまう。
今後も100点評価の作品が登場した際には追加していきたい。
(海外ドラマNAVI)
Photo:Netflixシリーズ『アスンタ・バステラ事件』、『汚れなき子』、『ユー・ドント・ノウ・ミー』、『ザ・プログラム:詐欺とカルトと強制収容』、『ザ・プレイリスト』は独占配信中