戦争ドラマ『マスターズ・オブ・ザ・エアー』ショーランナー、キャストの相性や空中戦へのこだわりについて語る

『バンド・オブ・ブラザーズ』『ザ・パシフィック』を手がけたスティーブン・スピルバーグとトム・ハンクスが贈る、第二次世界大戦シリーズの第3弾『マスターズ・オブ・ザ・エアー』。その3部作で指揮を執ったゲイリー・ゴーツマンが、キャストの相性や撮影セットなどの舞台裏について語った。

少佐二人の絆

ドナルド・L・ミラーによる書籍「Masters of the Air: America’s Bomber Boys Who Fought the Air War Against Nazi Germany(原題)」をドラマ化した『マスターズ・オブ・ザ・エアー』では、第二次世界大戦中に第8空軍の第100爆撃航空団に属した乗組員たちの過酷な運命が描かれる。

本シリーズでは、大型爆撃機のパイロットで少佐のゲイル・“バック”・クレヴェン(『エルヴィス』のオースティン・バトラー)と、ジョン・“バッキー”・イーガン少佐(『ファンタスティック・ビースト』シリーズのカラム・ターナー)の関係を中心に物語が展開。

最終的に、かけがえのない絆で結ばれることになるバックとバッキーの友情についてゴーツマンは、「最初、(状況的に)二人は友人にならざるを得なかったけど、次第に彼らのケミストリーが大きくなっていきます。この役を演じたオースティンとカラムの相性の良さが、当初想定していたよりも深い結びつきを可能にしたんです。二人は友人であり、お互いを理解し合い、一緒に笑ってバカなこともするけど、才能に恵まれています。二人とも、B-17機を操縦するお互いの才能を尊敬しているんです」と述べた。

『マスターズ・オブ・ザ・エアー』オースティン・バトラー&カラム・ターナー

大型爆撃機B-17をつくった!

劇中では、第100爆撃隊の10人が乗り込んだ「フライング・フォートレス」と呼ばれる大型爆撃機B-17が主な舞台となるが、現存しているB-17は皆無に等しいのだという。その点についてゴーツマンは、「残っているB-17もありますが、撮影に使えるように完全な形にするのは容易ではなかったので、新しい機体をいくつか造りました」と説明し、ロケット砲火をかわす動きの撮影に使う巨大なジャイロスコープやロティサリー・クレーンなど、空中戦の撮影に応用できそうな物は“何でも”利用したことも付け加えた。

ゴーツマンは、キャストがB-17のパイロットや整備の専門家から知識を吸収しながら、リハーサルに全力投球で臨んことを称賛。「彼らは時間を無駄にすることなく、私たちよりも先回りして、それぞれの任務やキャラクターについて可能な限り、情報を得ようと努めてくれました」と述べた。

また、空中戦を描くのは、困難で大変だったのでは?と聞かれると、「そうなんです。私たちの最大の問題は、コックピットでマスクをかぶった男たちでした。1万フィート以下に降りてくるまで、顔を見せることができないんです。でも、(視聴者に誰が誰だか思い出させるために)彼らの名前を叩きつけ続けることはしたくありませんでした。そのためミッションを明確にし、利害関係を明らかにし、彼らが誰であり、何に関心があるのかを理解させる必要があったんです。だから私たちは、この作品における最大の問題は空中にあると認識していました」と語った。

劇中でキャストが見せてくれるケミストリーや、息を吞むほど迫力に満ちた空中戦に注目したい『マスターズ・オブ・ザ・エアー』は、Apple TV+にて毎週金曜日に新エピソードが配信。

(海外ドラマNAVI)

参考元:The Wrap

Photo:©Apple TV+