カイル・マクラクラン、『ツイン・ピークス』ロッジや滝について語る

鬼才デヴィッド・リンチ監督が生み出し、今でもカルト的な人気を誇るドラマ『ツイン・ピークス』。同作のデイル・クーパーFBI捜査官役としてブレイクしたカイル・マクラクランと共同クリエイターのマーク・フロストが、舞台となる場所について語った。米Varietyが伝えている。

カイルも数回おしのびで再訪

ローラ・パーマーを殺したのは誰なのかという謎を軸に、クーパー捜査官と地元の人々との奇妙な交流が描かれた同作は、高い視聴率と大きな謎をもたらした。1990年から2シーズンにわたって米ABCで放映され、2017年に米Showtimeで25年ぶりに復活した作品について、カイルとフロストに話を聞いた。

『ツイン・ピークス』の熱烈なファンたちは、作中の素朴な雰囲気の風景を体験するため、今でもロケ地であったワシントン州に集まる。同州の樹木が生い茂るスノコルミーという場所についてカイルは「ある種の魔法がある。そして少し危険でもある」と述べた。さらにフロストが「何も変える必要はなかった。不気味だったんだ。町自体が主要キャラクターだった。あのような町をそのままの状態で発見できたことは、本当に驚くべきことだった」と補足している。

ツイン・ピークス

スノコルミーと近隣の町は、キャストとクルーをもてなしてくれた。グレート・ノーザン・ホテルの外観のロケ地として頻繁に使われ、全エピソードの冒頭に登場する巨大な滝が裏庭にあるセイリッシュ・ロッジ&スパは、ファンの聖地となった。フロストは、シリーズのパイロット版で登場したこのホテルについて、「私たちが作ろうとしているものに、ピッタリだと感じました。現地で見つけたすべてを『ツイン・ピークス』のテンプレートとして使いました。場面転換ショットの撮影のために、数回だけ、予備のセットアップをしたと思います」と説明している。

『ツイン・ピークス The Return』というタイトルで知られるシーズン3で、フロストとリンチは再びセイリッシュ・ロッジ&スパをロケ地に選んだ。「(2015年に)戻った時、最初の6週間はセイリッシュ・ロッジ&スパに滞在し、そこで撮影しました」とフロストは言う。「あの時はデヴィッドも私もロッジに滞在し、素晴らしい時間を過ごしたんです」

このシリーズの主人公であり、ワシントン州の出身者でもあるカイルは、ここ数十年の間に休暇先として“懐かしの”セイリッシュを何度か訪れている。「あれから何度か行ったよ。実際にあそこで夕食をとり、腰を下ろして滝を眺めたことがあるんだけど壮大だった」。作中ではホワイト・テイル・フォールズと改名されたスノコルミー・フォールズについて彼は言う。「あの滝は本当に壮大で、こんな凄い滝があるなんてと思わず驚くような場所にある。本当に美しい小さなスポットで、ハイウェイから降りてすぐの場所でとても便利なんだ。ちょっとした魔法のような瞬間だよ」

カイルはそのような旅を予告しないものの、自身が演じたキャラクターの足跡を辿るためにロッジの敷地内を旅するファンとのすれ違いを楽しんでいるという。「車で来て停めて、展望台まで自分で歩いていったんだ。すれ違った何人かは僕のことを二度見していたよ。一緒に写真を撮ってくれと頼んできた人もいたし、そのまま行ってしまった人もいる」。彼は、この大自然が織りなすランドマークは、『ツイン・ピークス』を知らない観光客をも惹きつけるに十分な華やかさを備えていると話すが、それを知る観光客にちょっとしたサプライズを与えるのが好きなようだ。

ツイン・ピークス

3シーズン、合わせて30年以上の時を経て、作品の遺産はこの町に深く刻み込まれている。『ツイン・ピークス』というドラマ=この滝、と言えるほどになったのと同じくらい、スノコルミー・フォールズも『ツイン・ピークス』となった。「ロケ地が作品のアイデンティティの中心となるというのは、かなり珍しいと思います」とフロストは言う。「ロケ地が、多くの注目を集めるストーリーの中心的存在であり、そしてある意味、その場所そのものになる。地元の人たちは、“『ツイン・ピークス』による観光業がこの町を救った”とよく言っていました」

『ツイン・ピークス』シーズン1~2と映画版『ツイン・ピークス The Return』U-NEXTにて配信中。(海外ドラマNAVI)

参考元:米Variety

Photo:『ツイン・ピークス』© TWIN PEAKS PRODUCTIONS, INC. © 2018 Showtime Networks Inc.SHOWTIME and related marks are registered trademarks of Showtime Networks Inc.,A CBS Company. All Rights Reserved.