米HBOにて2011年から2019年にかけて放送され世界中で大ヒットしたドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』でデナーリス・ターガリエンを演じ、ブレイクしたエミリア・クラーク。彼女が大英帝国勲章を授与された。
同じ病を抱えた者同士で支え合う
エミリアは20代だった2011年と2013年に2度、脳出血を経験。その体験を受けて、同じように脳の動脈瘤の手術を受けたことがある母親のジェニーさんとともに2019年、脳の病に苦しむ人を支援するための慈善組織 SameYouを立ち上げた。その貢献が評価され、エミリアとジェニーさんは大英帝国勲章の中で第5位に位置するメンバー(MBE)を与えられることに。
Emilia Clarke: Actress and mum Jenny both get MBEs https://t.co/KRMYNyzaZJ
— BBC News (UK) (@BBCNews) December 30, 2023
「慈善活動が評価されて、私たち二人ともMBEを授与されることになったの。素晴らしいことよね。宮殿へ行きたくない人なんているのかしら? 犬を連れていけるか聞いてみたんだけど、やっぱり駄目だったわ。母が贈られることになったのが一番重要なことね。もちろんそれが嬉しいことだというのはあるけど、この慈善組織があるのは、母がすべて取り仕切ってくれているからだもの」とエミリアは語っている。
なお、母娘が同じタイミングで同じ勲章を贈られるのは、これが初になると言われる。
エミリアが最初の脳出血に見舞われたのは、『ゲーム・オブ・スローンズ』シーズン1を撮り終えて間もないタイミング。彼女は、自分が今も生きているのは「奇跡」だと語る。毎日2時間ごとに目が覚めるような入院生活を3週間ほど送ったのちに退院したが、最初は家にいるのが不安で、退院の翌日に病院へ戻るための口実を探そうとしたとのこと。そして2年後に再び同じ症状が起きた時、「何か大きなことをしなければと思った。2度も脳出血を経験しながら後遺症もなく生き延びることができたことにはきっと理由がある。その時、慈善組織を立ち上げることを考え始めたの」とエミリアは振り返る。
脳の病気を抱える人の多くが、満足なリハビリを受けられていないことを知ったエミリアとジェニーさんが約5年前に立ち上げたSameYouは、ランカシャーを本拠とする試験的なオンラインの神経リハビリテーション NROLや、ロンドンの大学などの研究を支援している。NROLはパンデミックを受けて始めた試みで、外に出られない状況下において目覚ましい効果が出たそうで、「特に誇りに思っている二つのことの一つ」だとエミリアは説明する。
エミリアが特に誇りに思っているもう一つは、この病気について話せるプラットフォームを作ったこと。彼女によれば、脳の病気を抱える人はその多くが病気になったことを恥じており、そのことについて語りたがらないという。だがそれではちゃんと病気を理解することができないとして、対話の場をもうけることにした。プライバシーを大事にする彼女自身も、この病気については2019年から語るようにしている。
そして2月21日(水)、それぞれの服装を白で合わせたエミリアと母親のジェニーさんはバークシャーにあるウィンザー城に出向き、ウィリアム王子から大英帝国勲章を贈られた。エミリアは「こうして勲章をいただけるなんて、最高ね」などと語り、喜びを露わに。
ケンジントン宮殿の公式Instagramには、二人が勲章を贈られ、ウィリアム王子と語り合ったり、インタビューに答えたりしている動画が掲載された。そこには「(『ゲーム・オブ・スローンズ』の世界である)ウェスタロスからウィンザーへ、脳の病に苦しむ人を支援するための慈善組織により、エミリア・クラークと彼女の母親ジェニファーさんを称えることができたのは喜ばしいこと」とキャプションが添えられている。
『ゲーム・オブ・スローンズ』全8シーズン、スピンオフ『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』はU-NEXTで配信中。(海外ドラマNAVI)
参考元:英BBC
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