パトリック・スチュワート、『新スター・トレック』オーディションにカツラで臨んでいた!

今月初めに発表した自叙伝「Making It So(原題)」が話題を呼んでいる『スター・トレック』シリーズのパトリック・スチュワート。その著書では同シリーズのファンにはたまらない逸話の数々が明かされているが、カツラを着けて『新スター・トレック』のオーディションに臨んでいたことが分かった。米Varietyほか複数のメディアが伝えている。

オーディション終了後に自然体を見られて…

アメリカにて1987年から1994年まで続いた大人気SFドラマ『新スター・トレック』でジャン=リュック・ピカード艦長を演じ、2020年から3シーズン続いた『スター・トレック:ピカード』でも同役を再演していたパトリック。実は『新スター・トレック』を手掛けた米Paramountの重役からピカード役のオーディションのためにカツラを着けるよう求められ、当時の妻シェイラ・ファルコナーに頼んでわざわざロンドンからロサンゼルスへ送ってもらっていたという。

「ちょうどヒースロー空港から飛行機に乗るタイミングで、ロンドンの代理人が家にいたシェイラに電話をして、Paramountから連絡があったことを伝えた。もしカツラを持っていれば、オーディションのために持って来てほしいということだった。そこでシェイラはクローゼットからカツラを一生懸命引っ張り出してきて箱に詰めると、ブリティッシュ・エアウェイズの担当者がそれを受け取って、ロサンゼルス行きの便に乗せてくれた」

「カツラがファーストクラスで運ばれたかどうかは分からない」と冗談を交えて話すパトリック。ロサンゼルスに届いたカツラを引き取った彼は、準備万端でスタジオに向かうことができたと著書で書いている。オーディションでは一つのシーンの読み合わせだけの予定で、カツラを着けて臨んだそのシーンで好印象を与えたパトリックは、その後に楽屋でカツラを外して自然体の姿で休んでいたところへいきなり重役たちが訪ねてきたため、結果的にカツラなしの頭を見せることになったという。

突然の訪問を受けたパトリックだが、これはカツラなしの姿を見るための相手の作戦だったとのちに知ることになる。重役たちはオーディションでのパトリックの演技に満足していた一方で、カツラ姿にはしっくり来ていなかったそうだ。最終的にはありのままのパトリックでピカード役を勝ち取ることになり、結果として7シーズン、全178話にわたって絶対的なキャラクターを演じ、その後の関連作品でも存在感を発揮することになった。

自叙伝の中で、パトリックは長年の友人で仕事仲間のイアン・マッケランとの逸話も披露。ハリウッドの大型フランチャイズに挑戦するべきか否か議論を交わしていた際に、イアンから『新スター・トレック』を降りて劇団に残るよう助言されたという。

「(『新スター・トレック』の)契約を結ぼうとしていると彼に話したら反対された。“だめだ! 絶対にやるべきじゃない。してはいけない。君には舞台の重要な仕事がたくさんあるんだ。それをテレビの仕事のために放り投げちゃいけない。絶対にだめだ”ってね」

「特に演技に関して、イアンの助言以上に信頼を置けるものはほとんどない。でもこの時ばかりは、彼に伝えなければならなかった。舞台には僕の準備ができればいつでも戻ることができるけれど、アメリカのドラマシリーズで主演を務める話は逃したらもう二度とないと感じているとね」

結局はこの判断が功を奏したパトリック。とはいえ、イアンとその後に気まずくなったりはしていないようで、二人は2000年以降に『X-MEN』シリーズでプロフェッサーX/チャールズ・エグゼビアとマグニートーとして何度も共演。2013年には『ゴドーを待ちながら』の舞台にも一緒に立った。また、2013年にパトリックがメキシコのレストランで再婚した際には、聖職者の資格を有するイアンが立ち会っている。

このほかにも先日お伝えしたように、名門劇団出身ゆえに『新スター・トレック』共演者と衝突したことや、若手時代のトム・ハーディと共演したことなどを著書の中で綴っているパトリック。ピカードのように、パトリック自身も興味深い人生を送ってきたと言えそうだ。(海外ドラマNAVI)

参考元:米Variety

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