『NCIS』デヴィッド・マッカラム、息子の悲劇的な死が演技に影響していた

大人気ドラマ『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』のドナルド・"ダッキー"・マラード役で知られるベテラン俳優デヴィッド・マッカラム。知られざる悲劇的な過去が与えた影響について、NickiSwift.comが伝えている。

御年87歳のデヴィッドが『NCIS』シリーズに出演して18年。2002年にオーディションを受けて、その日のうちに役を得ると、約20年に及ぶ大仕事に。「ことがどう運ぶか、何が曲がり角に待ち構えているかなんて誰にもわからないものだ」とデヴィッドは言う。

長い俳優人生の中で仕事だけでなく、妻キャサリン・カーペンターと4人の子どもという家族との時間も大切にしてきたデヴィッド。しかし30年以上前に起きた思いもよらない悲劇にいまもなお苦しみ続けているという。実はデヴィッドには5人の子どもがいた。しかし1989年の11月7日、ジェイソンは27歳という若さで帰らぬ人に。原因は薬物の過剰摂取だった。

映画『地獄特急』で撮影で知り合った前妻ジル・アイアランド(『ストリートファイター』)と迎え入れた養子のジェイソン。デヴィッドとジルの離婚後は主にジルと再婚相手のチャールズ・ブロンソン(『荒野の七人』)のもとで育った。 Los Angeles Timesによると、ジェイソンは長年薬物中毒に悩まされていたが、死亡当時は回復傾向にあると思われていた。担当の精神科医も数週間にわたる禁薬期間を達成した証拠を提出し、過剰摂取による死亡が信じられないとしていた。

ジェイソンの死から何年経っても、悲しみから立ち直れずにいたデヴィッドは2016年、The Belfast Telegraphに息子を失った過去があることを打ち明けた。「決して子どもを失ったという事実を受け入れることはできない。痛みは本物だけど怒りに変わるみたいな痛みだ。同時に、もうどうすることもできないという失望感を感じて、それがまた最悪な気分にするんだ」ジルとの離婚後、3人の子どもの親権をすべて失ったデヴィッドにとって事実を受け止めるしかないという現実がまた辛かったはずだ。

これをきっかけに、仕事に忙殺されず家族との時間をつくっているデヴィッド。愛する人を失う悲しみ、愛する人と過ごす時間の尊さ、その両方を痛感したデヴィッドの思いは、演技にも表れている。たくさんの会話の引き出しで周りを楽しませてくれるダッキー。粋なジョークを交えながらみんなの相談相手になってくれるダッキー。愛すべきキャラクター、ダッキーはデヴィッドなしにはありえなかったかもしれない。(海外ドラマNAVI)

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