フィットした強靭な肉体を手に入れるのに、遅すぎるということはない。カルト的人気を誇るドラマ『ブレイキング・バッド』、そしてそのスピンオフ『ベター・コール・ソウル』で、狡猾ながらも愛すべき弁護士ソウル・グッドマンを演じたボブ・オデンカークが、それを証明している。
-

ボブ・オデンカーク、『ベター・コール・ソウル』“刑務所ドラマ”としての復活に言及!
『ブレイキング・バッド』のスピンオフとして人気を博した米AM …
ソウル・グッドマンは「戦わないアクションヒーロー」だった
2019年の映画『Mr.ノーバディ』で鮮烈なアクションを披露し、世界を驚かせたボブ。現在63歳の彼は、ベン・ウィートリー監督の新作『Normal(原題)』で再び銀幕へと帰還した。
Just a fun time 😏
Catch Bob Odenkirk in crime comedy film #Normalmovie from director Ben Wheatley. In cinemas from tomorrow. pic.twitter.com/EdevM9LD2J
— Vertigo Releasing (@VertigoRel) May 14, 2026
本作で彼が演じるのは、ギャングが蔓延る小さな町の保安官、ユリシーズ・リチャードソンだ。中西部の田舎町という舞台設定は、ボブにとって極めて身近なものだった。彼はイリノイ州ネイパービルで育ち、当時は至る所に農場が広がる人口2万人ほどの静かな町だったという。大学時代もイリノイ州南部のカーボンデールで過ごした彼は、農村特有の空気感を肌で知っている。その経験が、今作での役作りに深みを与えているのは間違いない。
キャリアの後半でアクションスターへと転身したことについて、ボブは「宇宙に対して仕掛けているいたずらのようなものだ」と茶目っ気たっぷりに語る。しかし、そこには彼なりの鋭い洞察がある。
世界的な代表作となった『ベター・コール・ソウル』で演じたソウルについて、「彼は戦わないという点を除けば、まさにアクションキャラクターそのものだった」と振り返る。絶体絶命の窮地に立たされ、知略を尽くして押し返そうとするソウルの姿には、アクション映画の主人公に求められる要素がすべて詰まっていたというのだ。
驚くべきことに、ソウルを演じることを全く恋しく思っていないと断言する。それはキャラクターへの愛着がないからではない。あまりにも長い期間、彼の人生をソウルとして過ごし、すべてを出し切ったという清々しい達成感の表れなのだろう。
63歳のストイックな哲学:怪我をしないためのしなやかさ
アクション映画に挑むにあたり、ボブが最も重視しているのは「しなやかさ(柔軟性)」だ。63歳という年齢は、放っておけば体があっという間に硬直していく。彼は怪我を防ぐために、毎日のワークアウトを欠かさない。
「25分あればかなりのことができる」とボブは言う。皮肉なことに、彼が大きな怪我をしたのはアクション映画の現場ではなく、『ベター・コール・ソウル』の撮影中だった。真夜中の追走劇で準備運動を怠り、膝を激しく損傷した経験が、彼をより慎重かつストイックなトレーニングへと向かわせたのだ。現在のボブには、プロフェッショナルなチームが寄り添い、徹底したウォーミングアップが行われている。
コメディの原点と、自分の中に見出したドラマの芽
ボブのキャリアは『サタデー・ナイト・ライブ』や『The Ben Stiller Show(原題)』といったコメディの世界から始まった。11歳で『モンティ・パイソン』に衝撃を受け、デヴィッド・クロスと共に手掛けた『Mr. Show(原題)』でコントのすべてを学んだ。
しかし、コメディの最前線にいた当時から、ボブは自分の中に別の可能性を感じていたという。デヴィッドやクリス・ファーレイといった稀代のコメディ俳優たちと共演しながら、彼は自分はドラマをやるべきだと予感していた。「彼らのような純粋な面白さとは違う、もっと複雑で不可解な存在感が自分にはある」――その直感こそが、後のボブ・オデンカークを形作る種となったのである。
コメディアンからアクションスターへ。ボブの歩みは、固定観念という殻を破り続ける挑戦の連続だ。63歳にしてなお進化を止めることのない彼の逆襲は、まだ始まったばかりである。
『ベター・コール・ソウル』シーズン1~6はNetflixで独占配信中。(海外ドラマNAVI)
参考元:Radio Times




