乱立するスーパーヒーロー作品で注意すべきこととは?ジェームズ・ガンが語る

昨年11月1日、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの傘下となる新会社「DCスタジオ」のCEOに、ピーター・サフランとともに就任したジェームズ・ガン。マーベル映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズやDC映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』で監督を務め、『アベンジャーズ』シリーズの製作総指揮も担う彼が、乱立するスーパーヒーロー作品で注意すべき点を語った。米Varietyが報じている。

いわゆるスーパーヒーローもの、以外の要素が重要

ガンはポッドキャスト番組『Inside of You(原題)』に登場し、スーパーヒーローをテーマにした映画やドラマが多すぎるという意見に同意。その一方で、DCスタジオがコンテンツを過剰に拡大することはないとファンに断言した。「私たちは生み出す作品に細心の注意を払い、そのすべてが可能な限り良い出来のものになるようにするつもりです」

スーパーヒーローもののコンテンツが大量にあることは事実だが、ガン監督は怠惰なストーリーテリングこそが、このジャンルが現在直面しているもっと大きな問題だと強調した。「皆、スーパーヒーローの物語に対して本当に怠惰になっている。“ああ、これはスーパーヒーローものか、じゃあ映画化しよう"となり、”ああ、続編を作ろう、1作目がかなりうまくいったから“となる。なぜこの物語が特別なのか? この物語がほかの物語と一線を画す点はどこにあるのか? この物語のポイントは何なのか? なぜこのキャラクターが重要なのか? 映画館に観に行く人々を満足させるために、この物語をほかとはどう違うものにできるのか?といったことは考えないんだ。人々は少し怠惰になっていて、スーパーヒーローの映画ではアクションシーンばかりがたくさん起こっている。そうした映画の第3幕を見ていると、なぜそういうことが起きているのかの理由も感じられない」

「この問題の解決策は、スーパーヒーロー映画という大きなジャンルの中でさらに"非常に異なるジャンルを持つこと"であり、それは"スーパーヒーロー映画の多くにあるような、中途半端なジャンルや作中のトーン"とは対比するものでなければならない。私自身はシリアスなスーパーヒーロー映画も好きだし、コメディタッチのスーパーヒーロー映画も好きだ。殺人ミステリーでありながらスーパーヒーローが登場する作品も好きだ。同じストーリーが何度も何度も繰り返されるのではなく、こういった異なるタイプのストーリーを見たいんだよ」

ガンとサフランが手掛ける新しいDCユニバースは、映画、ドラマ、ビデオゲームにまたがる。DCユニバースの新作には、ガンが脚本と監督を務める2025年全米公開予定の映画『Superman: Legacy(原題)』に加え、スーパーマンのいとこであるスーパーガールが主人公のドラマ『Supergirl: Woman of Tomorrow(原題)』やバッドマンの映画『Batman: The Brave and the Bold(原題)』が予定されており、『Batman~』は『ザ・フラッシュ』の監督アンディ・ムスキエティがメガホンを取ることが決まっている。(海外ドラマNAVI)

参考元:米Variety