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『ブレイキング・バッド』IMDb史上唯一満点の神回、完璧すぎて生んだ“最後の壁”とは?

2025年8月18日 ※本ページにはアフィリエイト広告が含まれます

米AMC製作のクライムドラマ『ブレイキング・バッド』は、放送終了から12年経った今もなお最高傑作と謳われているシリーズ。なかでも、シーズン5第14話「オジマンディアス」はIMDbで唯一の10点満点を獲得した神回として知られ、テレビ番組史上でも類を見ない偉業を果たした。

だが、その圧倒的な評価ゆえに、意外な問題に直面してしまったようだ。米Screen Rantが伝えている。

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フィナーレよりも先に…

『ブレイキング・バッド』は、末期がんと診断された高校化学教師の主人公ウォルター・ホワイトが、家族に遺産を遺すためにメス(覚醒剤)精製に手を染める犯罪ドラマ。

「オジマンディアス」はウォルターがメスの帝国を率いる裏の人生を、義理の弟ハンク・シュレイダーに暴かれる瞬間を描いた大きな転換点となるエピソード。その冒頭でハンクが命を落とすという衝撃的な展開が訪れるが、緊張感とドラマは途切れることなく続き、一瞬の隙もない濃密な物語となっている。

タイトルの「オジマンディアス」は英詩人バイロン・シェリーのソネットに由来し、古代エジプトのファラオ、ラムセス2世の別名でもある。この詩は崩れゆく帝国像を題材にしており、ウォルターの没落を象徴するにふさわしい選択で、まさにエピソードの内容とタイトルが見事にシンクロしている。

脚本はモイラ・ウォリー=ベケット(『アンという名の少女』)が、監督はライアン・ジョンソン(『ポーカー・フェイス』)が務め、その完璧な演出と構成は批評家と視聴者から絶賛された。IMDbの評価では2位以下が9.9点という中で、唯一10点を獲得したことからも、どれだけ視聴者に衝撃と感動を与えたかがうかがえる。

しかし、問題もあった。このエピソードのあまりの完成度の高さが、その後に続く第15話「ニューハンプシャー」と第16話「フェリーナ」に重いハードルを課してしまったのだ。結果としてどちらも「オジマンディアス」と同じ満点は逃し、傑作エピソードがフィナーレよりも先に誕生してしまったと評されることもある。

ストーリー上、ウォルターが完全に追い詰められるこのエピソード以降は、彼の行く末と結末を描くことになるため、新鮮味や緊迫感が少し薄れる部分もある。にもかかわらず、「ニューハンプシャー」は9.7点、「フェリーナ」は9.9点という高評価を維持しており、いずれもシリーズの素晴らしい締めくくりを飾っている。

総じて、「オジマンディアス」は完成度の高さで他を圧倒したために、その後のエピソードが挑戦を強いられたものの、シリーズ全体の中で欠かせない名作であることは疑いようがない。『ブレイキング・バッド』の頂点として、今後も語り継がれるであろうエピソードだ。

『ブレイキング・バッド』全シーズンは、NetflixとHuluで配信中。(海外ドラマNAVI)

Photo:『ブレイキング・バッド』©︎2008-2013 Sony Pictures Television Inc. All Rights Reserved.

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海外ドラマNAVI編集部

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