米Showtimeのサバイバルドラマ『イエロージャケッツ』に出演するノンバイナリー俳優のリヴ・ヒューソンが、エミー賞の性別カテゴリーについて「私のための居場所がない」と苦言を呈したと、米Entertainment Weeklyが伝えている。
「演技の部門で私のための場所がない」
飛行機の遭難事故に遭った女子サッカーの強豪チームをめぐるサバイバルサスペンス『イエロージャケッツ』。2021年から配信開始した本作はエミー賞に作品賞や主演女優賞はじめ、7部門ノミネーションを獲得。3月24日から配信開始したシーズン2も高い人気を獲得しており、またしてもエミー賞での功績に期待が寄せられている。
しかし「演技の部門で私のための場所がありません」と話したのは、同作でゴールキーパーのヴァン・パルマーを演じたリヴ・ヒューソン。リヴはノンバイナリーとして知られているが「私にとって女優として応募することはふさわしくないんです。それに男性たちと一緒くたにされるのも筋道が通っていない。かなり単純明快なこと。私のための場所がないから、エミー賞に応募することができないんです」とVarietyに話した。
エミー賞は、まず放送局や制作会社が、エントリーフォームを提出して応募する番組を登録。その後、審査員による審査が行われノミネート作品が選ばれるという流れ。当初Showtimeは他の共演者と共に助演女優賞のカテゴリーでリヴを登録しようと考えていたそう。しかしリヴは自分に合うカテゴリーがないことから、辞退したようだ。
話し合いを続けてほしい
「私たちは監督賞や撮影監督賞を男女で分けてあげようとはしません。なぜならみんな、それとなくそれが侮辱的であると理解しているからです。今の状態を続けても構わないと思います。ただ私は関わりたくないのです」と続けたリヴ。この決定にShowtimeや共演者仲間は非常に協力的だったとも話している。
性別のカテゴリー分けの問題についてハリウッドが話し合いを続けてほしいと願っているというリヴは「それについて話すことには意味があります。とても親切に尊敬の意を持って、みなさんにもう少しギアをあげてくれることをお願いしたいです」と話した。
『サンタクラリータ・ダイエット』や『マーベル インヒューマンズ』などに出演し、ますます注目を集めているリヴ。こうした俳優の活躍が、既存のカテゴリーに当てはまらないという理由で評価されないのは非常に残念なことだ。LGTBQ+の俳優が活躍できる機会が増えていることはひとつの前進だが、まだまだ映画賞などでジェンダーニュートラルの精神が実現されているとは言えない点も多い。
主要TVシリーズ史上初めてノンバイナリーとしてノンバイナリーのキャラクターを演じている『ビリオンズ』のエイジア・ケイト・ディロンも、こうした問題について主張を続けてきた一人。演技を通して様々な人々のドラマを伝える彼らが“役者”として平等に評価される機会が早く来ることに期待したい。
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Photo:『イエロージャケッツ』©Showtime Networks Inc. All Rights Reserved/Brendan Meadows/SHOWTIME.