2017年から続いてきた米CBSの人気ドラマ『S.W.A.T.』が、米国で5月19日に最終話を迎えるシーズン6をもって打ち切りが決まったと当サイトでお伝えしたばかり。主演のシェマー・ムーアもこの決定には驚いた模様で、Instagramに動画を投稿して納得できないと苛立ちを露わにし、シリーズが存続できるようファンに協力してほしいと呼びかけていた。するとそんなシェマーたちの声が届いたらしく、打ち切りの話が覆され、シーズン7へと更新されることになった。米Deadlineが報じている。
声をあげて決定を覆したシェマーが歓喜
最終となるシーズン7は、過去シーズンよりかなり少ない13話構成。CBS エンターテインメント社長エイミー・ライゼンバッハとソニー・テレビジョン・スタジオ社長キャサリン・ポープは、共同声明で以下のように述べている。「我々は、『S.W.A.T.』に対する視聴者のほとばしる情熱に耳を傾け、2023~2024年のシーズンで13エピソードから成るファイナルシーズンを制作することに合意しました。『S.W.A.T.』はCBSでこれまで6シーズンにわたって放送され、熱烈なファンを獲得してきました。視聴者が満足するようなストーリーとキャラクターの終わり方を見つけられたことを嬉しく思っています。改めて、キャスト、脚本家、プロデューサー、スタッフ、そして本作の成功に貢献したすべての人々の才能と努力に感謝します。来シーズンを楽しみにしています」
もう1シーズン制作されることをシェマーも喜んでおり、「『S.W.A.T.』ファンのみんな、やったぜ!!! ファイナルのシーズン7が制作されることが決まったんだ! みんなの素晴らしいサポートに本当に感謝しているよ!!」とInstagramに投稿している。
先日の打ち切り報道に大きな反響があったことで再度の話し合いが行われ、突然のキャンセル劇からの復活を果たした『S.W.A.T.』だが、そもそも視聴率も良かったのになぜ一度は打ち切りになったのだろうか。実は打ち切りと判断されたのは、放送局であるCBSと制作スタジオのソニーTVが金銭的な合意に至らなかったからだと言われている。
Deadlineが3月に報じたように、ここ数年行われていた早期の作品更新は、放送局が制作側に対するライセンス料を据え置くことで実現したもので、テレビ番組の制作費は年々増加しているため、作り手の予算はますます圧迫され、番組の利益率も減る結果となっていた。そのため、ソニーは固定額のライセンス料でのシーズン7への更新は、財務モデルを損なうことになるとして乗り気ではなかった。そんなソニー側の意向を汲んでCBSは最終的にライセンス料を引き上げたそうだが、その代わりにエピソード数を減らすことが条件に含まれていた。これまで『S.W.A.T.』は、パンデミックの影響を色濃く受けた2020~2021年シーズンを除けば、毎シーズン20話以上で構成されていた。その話数が減るというのは一話あたりの予算が増えることを意味し、番組の経済性がさらに損なわれてしまう。交渉は続いたが双方の溝は埋まらず、一度はキャンセルという決断に至ったという。
シーズン4をもって一度打ち切られた後、CBSからNBCUniversalの傘下であるNBCに移籍してシリーズ継続することに成功したユニバーサルTVの『私立探偵マグナム』とは異なり、ソニーTVには姉妹局がないので、他の局で拾われる可能性もなかったようだ。
ともあれ、シェマーたちの思いが実り、作品とキャラクターにちゃんとお別れを言う機会が得られたことは喜ばしい限りだ。(海外ドラマNAVI)
参考元:米Deadline
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