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『スター・トレック』ウフーラ役のニシェル・ニコルス、89歳で逝去

『スター・トレック』のウフーラ役で知られるニシェル・ニコルスが89歳でこの世を去ったことがわかった。米Varietyなど複数のメディアが一斉に報じた。

7月30日(土)、ニューメキシコ州のシルバー・シティで亡くなったニシェル。彼女のタレントマネージャーで、15年ものビジネスパートナーだったギルバート・ベルによって明らかにされた。

ニシェルの代表作といえば「スター・トレック」シリーズ。1966年から1969年にかけて放送された『スター・トレック/宇宙大作戦』にはじまり、1979年の『スター・トレック』、『スター・トレック2/カーンの逆襲』、「スター・トレック3/ミスター・スポックを探せ!』、『スター・トレック4/故郷への長い道』『スター・トレック5/新たなる未知へ』、『スター・トレック6/未知の世界』など一連のスター・トレック作品にウフーラ役で出演。役60年に及ぶキャリアの中で数々の偉業を成し遂げてきた。

そのひとつが役どころ。スワヒリ語で“自由”を意味するウフーラ役は、優秀な通信士官というキャラクターだが、当時アフリカ系アメリカ人女性が使用人などの単調な役ではないキャラクターを演じるのは珍しかった。さらに、ウィリアム・シャトナー演じるカーク船長とのキスシーンもTV史におけるアフリカ系アメリカ人と白人の初のキスシーンとして記録に残されている。

Archive of American Televisionのインタビューでニシェルは、『スター・トレック/宇宙大作戦』シーズン1への出演後ブロードウェイを目指そうかと考えていたが、キング牧師ことマーティン・ルーサー・キング・ジュニアから直々に説得されてスター・トレックに残ったことを明かしていた。作品の大ファンだったキング牧師はウフーラがアメリカTV業界における他のアフリカ系俳優たちの扉を開くために重要であることを理解していたのだという。

後にウーピー・ゴールドバーグ(『新スター・トレック』『カラーパープル』『天使にラブ・ソングを…』)はじめ、数々の俳優に影響を与えることになるニシェルはNASAから女性やアフリカ系アメリカ人の人々が宇宙飛行士になることを応援する大使に任命されるなど、スクリーンの内外で活躍。こうした功績が認められ、1991年、ハリウッドのチャイニーズ・シアターで手形を残した最初のアフリカ系アメリカ人女性俳優になった。

2007年には『HEROES/ヒーローズ』、2018年には『探偵クレア 白蘭の女』などに出演していたが、2015年脳卒中に苦しみ、2018年には認知症と診断されていた。『Star Trek Renegades OMINARA(原題)』がニシェルにとって最後のスター・トレック作品になる。ニシェルのご冥福をお祈りいたします。(海外ドラマNAVI)

Photo:ケイト・マルグルー(『スター・トレック』シリーズのキャスリン・ジェーンウェイ役)Twitterアカウントより