登場したての頃はやたら自己中で意地悪で「ナイフのように尖っては、触るもの皆傷つけた」りするキャラも、シーズンを追うごとに丸くなり、思いやりのあるところが見えてきて、最終的に「スゲーいい奴」になったりする。特に、長年に渡って放映されるシリーズドラマではありがちなんだけど、そーゆー心配が一切ないのが『Dr.HOUSE』の偉いところ。シーズン7のフィナーレを迎えた今もファンの期待を裏切らず、ハウス医師(ヒュー・ローリー)は依然として不遜でワガママで、そのするどい言葉のナイフで周囲の人間の心をザクザクと切り裂くのであった。でも彼自身も傷ついていることが透けて見えるので、憎めないのよね。憎みきれないろくでなし、って感じで。憎いよ、この、ど根性ガエル!
このシーズン・フィナーレでは、ハウスに強敵が現われる。強敵っつったって患者なんだけどね。なにが手強いかというと、この患者、自分の症状について、意識的にハウスに嘘をつくのだ。嘘をついておいて、「この嘘を見破って、私の本当の病名を当てられるものなら当ててみろ」とくる。ね、滅茶苦茶でしょ?(笑) ま、それにはそれなりの理由があることが後になってわかるんだけど、でもその理由がわかんないうちから、「てやんでぃ、上等だこの野郎、受けてたってやろうじゃねーか」となるのがハウス節。よっ、キップがいいね、江戸っ子だね! この、現代医療版シャーロック・ホームズ!
でもそれとはべつに、ハウスは個人的にでっかい問題を抱えてたりする。それは彼の薬物依存問題。最近はナース・ジャッキーといいドクター・ハウスといい、ドラマの中で医療関係従事者の薬物依存症が取り上げられがちなんだけど、それだけ深刻な問題だっちゅーことなんでしょうね。でも今のハウスにとってそれよりもさらに深刻なのは、カディ(リサ・エデルスティン)との恋愛関係問題。今回はこれがこじれちゃってハウスがエラいことをしでかし、警察まで動くはめに。
カディも今度という今度は怒り心頭で、「もしハウスが今後、私の病院に一歩でも足を踏み入れたり、私に近づこうものなら、牢屋にぶち込んでもらうわ」とまで警官に言っちゃうのだ。哀れハウス、ついに解雇? いやさ、塀の中の懲りない面々? という展開で、シーズン8へのクリフハンガーとなるのであった。彼が何をやっちまったかについては、ぜひご自分の目で観て確かめていただきたいのだが、まだまだハウスがとんがりコーンであることは間違いないので、ファンの皆様ご安心を。Still crazy after all these years...