これまで、世界中の女性から愛されて来た"ガールズ"がアイコンとなる数々のドラマ。今回は代表的な『SEX AND THE CITY』と『ゴシップガール』の2作と比較すると共に今回デビューした『プリティ・リトル・ライアーズ』の"ガールズスタイル"に注目してみたいと思う。
さかのぼると、"ガールズドラマ"の火付け役はやはり『SEX AND THE CITY』。本作が表現しているのは、"美しく、加齢と共に自分らしく生きるガールズスタイル"である。キャラクター達は、40代になっても、互いを"ガールズ"と呼び合い、いつまでも若さや自分らしさを活かしてイキイキと生きている。それぞれに違うファッションや生き方を認め合いながら、ハッピーに生きる4人のキャラクター達のライフスタイルを通じて、女性が自分らしく生きる事の素晴らしさが表現されている。
続いて、『ゴシップガール』。本作は"ニューヨークのスタイリッシュで憧れるハイソなガールズスタイル"を表現している。ニューヨークでのガールズの生活を極端に、リッチで、非日常的に描かれている。ドラマの視聴者のほとんどはニューヨーク以外の都市に住んでいるが、どんな女の子にとってもニューヨークでの生活は憧れの存在!その"憧れ感"を強く追求した作品となっている。そんなガールズスタイルを、ブレアとセリーナという2人のお嬢様の個性的なキャラクターや学生とは思えないスタイリッシュなファッション性を通じて描かれている。
そして、今回の『プリティ・リトル・ライアーズ』は、"リアリティのある等身大なガールズスタイル"である。ニューヨークが舞台の2作やロサンゼルスが舞台の『90210/新ビバリーヒルズ青春白書』などとは異なり、本作はローズウッドと言う小さな街が舞台。ファッションも先の2作の中では、キャリーの溺愛するJimmy Chooのハイヒールや、ブレアがTory Burchの最新モデルにこだわるシーンが出てくるなど、様々なハイブランドが登場する中で、ハイブランド等ではなく、リアルクローズを上手に活用。ショッピングしているシーンなども、先の2作では、ハイブランドのブティックでのシーンが多い中で、本作では私たちにも馴染みのあるファスト・ファッションの店舗が舞台だ。多くの視聴者にとって、自分の日常と当てはめやすい環境設定になっており、等身大でファッションもそのまま参考にできるドラマになっている。
しかし、4人のガールズはそれぞれのキャラクターに合わせられたファッションのスタイルがあり、それぞれがとても個性が溢れていて魅力的。どのガールズにも様々なバックグラウンドやストーリーが細かく設定されており、それらはどんな女の子にも起こりがちなものばかりだ。
では、ここで4人のキャラクターとそのファッションを解説してみるとしよう!
まずは、主人公のアリア・モンゴメリー。
とても冷静だが、素直な心を持っていて、父親の浮気や教師への恋愛感情など様々に複雑な秘密を抱え、葛藤している女の子だ。彼女は、ヨーロッパ生活を経て家族と共に帰ってきたばかりだ。そんな彼女のファッションは"ヨーロピアンなボヘミアン"なスタイル。落ち着いたダークカラーのワンピースにヒールのないフラットブーツなどを合わせている。イギリス発のTOPSHOPやスペイン発のZARAなどで彼女のスタイルは、購入できる。
続いて、ハンナ・マリン。
彼女は高校で"女王蜂"と呼ばれており、学年で最も目立つ存在だ。アリソンがいなくなってから、大幅なダイエットを経験して、現在の"女王蜂"の座に至っている為、どこか過去の自分へのコンプレックスと現在の自分への誇りが感じられる。また、両親が離婚しており、その淋しさから万引きや飲酒などちょっぴり悪さをする一面もある。
そんなハンナのファッションは、"セクシーでゴージャス"なスタイルだ。タイトなミニスカートや胸元が大きく開いたトップスなど、プロポーションを主張するものばかり。これらは、セクシーでバブリーなファッションを扱っているアメリカ発のForever 21や Juicy Coutureなどで購入できる。彼女はお嬢様なキャラクターでもあり、時々Chanelなど、ハイファッションブランドのアクセサリーを身につけて登場している。
続いて、エミリー・フィールズ
水泳部に所属しており、体育会系のさっぱりとした性格。常に真面目でまっすぐで、箱入り娘なところもあり、しかし、ドラマ内では戸惑いながらも禁断の恋も経験する。
そんなエミリーのファッションは、やはり"スポーティ"なスタイル。
彼女のトレードマークは、デニムのミニスカート。これをヘルシーにスポーティーにスポーツバッグに、Tシャツにパーカー、そしてスニーカーと合わせて着こなしている。スポーティーなカジュアルを扱っているアメリカ発のAberocrombie& FitchやAmerican Eagleなどで彼女のスタイルは購入できる。
最後に、スペンサー・ヘイスティングス。
彼女は、厳格でエリート主義な家族とワガママな姉と暮らしており、いつも"自分が犠牲になっている"という気持ちやプレッシャーと共に日々葛藤している。ドラマ内では、姉のフィアンセと禁断の恋に落ちそうにもなる。
そんな彼女のファッションは、"トラッドスタイル"。シャツにブレザーなど、規律正しさや真面目さが表されているスタイルになっており、男性らしさも多少感じられる。彼女のファッションはトラッドスタイルを扱うアメリカ発のブランド、Banana RepublicやJ.Crewなどで購入できる。
自分とも当てはめやすい日常的な雰囲気の設定の中で、すぐに真似できるファッションと様々なミステリーが繰り広げられることも本作が視聴者のワクワク感を高めている一つの魅力とも言えるのではないだろうか。
ガールズは他のガールズを参考にする生き物。そんな視聴者達は自分と常に置き換えながら"ガールズスタイル"なドラマを観ている。そして、だからこそファッションやカルチャーのブームを生み出すなど、様々な影響を社会に与えてきたと言える。今回、この『プリティ・リトル・ライアーズ』がどの様なムーブメントになっていくのか。"リアリティある等身大なガールズスタイル"だからこそ、より一層大きなムーブメントになっていくのではないかと期待している。
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■『プリティ・リトル・ライアーズ』放送予定
第1話[吹替版]:3/18(日)11:00~、3/19(月)22:00~、[字幕版]3/25(日)25:00~
第2話以降[吹替版]:毎週月曜22:00~、[字幕版]毎週日曜25:00~
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