『ゾンビーズ』に登場する4人のガールズに共通する"強さと美しさ"とは?

『ハイスクール・ミュージカル』『ディセンダント』といった大ヒット青春ミュージカル映画を生み出してきたディズニーが新たに贈る、ゾンビと人間の女の子の恋を描いた青春ミュージカルTV映画『ゾンビーズ』が、ディズニー・チャンネルにて本日5月19日(土)19:30より日本初放送となる。

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郊外の小さな町にあるシーブルック高校にゾンビタウンのゾンビ高校生たちが転校してきたことから、チアリーダーの少女アディソンとゾンビのアメフト部選手の少年ゼッドが恋に落ちてしまい、双方のコミュニティから反対される中、彼らは力を合わせて周囲の偏見や既存の価値観と闘うというストーリー。

本作の放送に先駆けて、海外ドラマコラムニストの伊藤ハルカがガールズに注目した見どころを教えてくれたのでご紹介しよう。

ディズニー・チャンネル・オリジナル・ムービーは、『ハイスクール・ミュージカル』(2006年)に始まり、近年では『ディセンダント』シリーズ(2015年&2017年)など、パワーあふれるダンスと音楽で視聴者を盛り上げ、魅力あふれるキャラクターが心を癒す。2018年2月に全米で放送された最新作『ゾンビーズ』も、清楚なポップミュージックからヒップホップミュージックまで、全6曲のオリジナル楽曲をまんべんなく盛り込みながら、多感な年ごろのティーンエイジャーたちの悩みや恋をパワフルに盛り上げる元気いっぱいの作品。あわせて「ゾンビと共存する町」を舞台にしており、「差別と偏見」という社会テーマも加わっている。

実際は「ゾンビと人間の共存」はほど遠く、ゾンビは専用の居住区「ゾンビタウン」に住み、人間が暮らすシーブルックという町への立ち入りは厳しく規制される。カフェやレストランの多くは「ゾンビお断り」の張り紙。高校でも、ゾンビのクラスは地下室で、クラブ活動には参加できないなど、「人と違うこと」をひどく恐れるこの町で、長くゾンビは迫害を受け続ける。

「差別や偏見」という根深い社会問題を前に、現状を変えていこうと奮闘するのは4人の少女たち。今回はストーリーのキーを握る強き4人のガールズに注目したい。

まずは、主人公のアディソン。純粋で前向きなかわいらしい女の子なのだが、「人と違う」ことを恐れて、ある秘密を隠しているチアリーダー。本当はゾンビたちと仲良くしたいのに、チアリーディング部のメンバーたちに止められ、表立ってゾンビたちと交流できずにいる。しかし、思いを寄せるゾンビのゼッドの誘いでゾンビタウンに紛れ込み、彼らの生活を目の当たりにすることで、このままではいけない、多くの迫害を受ける彼らの生活を自分の手で変えたいと思うようになる。印象的なのは、ゼッドが出場するアメフトの試合でのチアリーディングシーン。部長バッキーの声を遮って、ゾンビを応援するコールをかける。結果、部をクビになってしまったわけだけど、"偽りの自分でチアをやるよりずっと心地いい"といわんばかりの最高の笑顔を見せてくれる。その時のアディソンの顔に恐れはなく、ありのままの自分をさらした表情は実に晴ればれ!

そんなアディソンの影響を受けるのが、親友で同じくチアリーダーのブリー。いつもおどおどして自分の意見を持たない人間の女の子なのだが、変わっていくアディソンを見てブリーの中にも変化が起きる。アディソンの英断を見て、自分の意見を持つようになるのだ。後半には、これまで自分を透明人間のように扱ってきたバッキーに対し、そっと自身が持っていたボンボンを差し出す印象的な場面がある。ブリーの強さと優しさを感じるシーンだ。

ゾンビ側から紹介したいのが、ゼッドの友達イライザと、彼の妹のゾーイ。イライザは、カーリーヘアにロックなファッション、歯に衣着せぬ物言いがかっこよく、本来なら女子から人気の的になるようなカリスマ性を持っている。長年の迫害から人間を信じられなくなり、未来を諦めてきたが、ゼッドやアディソンの存在により、心を開き、未来を信じるようになっていく。そして一番の変革者とも言えるのがゾーイ。まだ幼いので、ゾンビへの偏見などをあまり気にしていなくて、「チアリーダーになりたい」という夢を必死に追っている。周囲からの目を気にすることなく、純粋無垢な気持ちで人間たちの世界へ飛び込んでいく彼女の行動が、ストーリーを大きく動かすことになる。

年齢も見た目も性格も異なる4人のガールズたちは、本作で「変わろう」と思うこと、それを行動で示すことの重要性を歌とダンスで表現している。変わろうと成長していく彼女たちのまた美しいこと! 偽りなく生きることの清々しさを感じさせる。本作は、ティーンエイジャー向けではあるが、変わろうとする必要がないと思い込んでいたり、これが社会だと諦めてしまったりしている大人にだってオススメな作品。キラキラと輝く笑顔で、正しいことを正しいと声を大にして言うティーンエイジャーたちを見ていると。30を軽く超えた人だって元気がもらえる。少女たちのパワーに圧倒される、新たな領域のディズニーのテレビ映画だ。

『ゾンビーズ』はディズニー・チャンネルにて本日5月19日(土)19:30より日本初放送!(海外ドラマNAVI)

Photo:上段の右から、アディソン、ブリー、イライザ、ゾーイ(『ゾンビーズ』)
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