4月15日(月)よりBS10 スターチャンネルにて最終章が世界同時放送となる大河ファンタジー『ゲーム・オブ・スローンズ』。それに先駆けて、舞台裏の一部をご紹介しよう。今回取り上げるのは、デナーリス・ターガリエンの愛する子ども、3匹のドラゴンたち。
レイガルとドロゴン、ヴィセーリオンという3匹のドラゴンの劇中における母親はデナーリスだが、もう一人の"産みの親"はドイツにあるVFX製作会社のPixomondoだ。
第一章のラストに登場した、卵から孵ったばかりの赤ちゃんドラゴンの造形を元に「よりダークにしていった」と同社のスヴェン・マルティンは語る。「いろんな点をデザインし直して、幼い頃からもっとシャープに、トゲトゲしくした。ゼロから作り直したようなものだけど、以前出てきたのと同じドラゴンだと観客が信じられるよう意識したよ。あと、可愛らしくあることも意識した。あくまでドラゴンとしての可愛らしさだけどね。それによって、色や形を調節したんだ」
シーズンごとに調整が行われたそうで、「毎年新しいストーリーに合わせてみんなで話し合い、デザインを改良していったよ」とマルティンは説明する。ただし、その改良はあくまでも自然界に沿ったものであり、コウモリや鳥類をインスピレーションにして骨格、筋肉、皮膚などが作られていった。「ドラゴンたちは俳優と非常に近い距離にいるし、撮影現場は基本的に外だ。だから、ファンタジーでなく現実味あふれた存在でなければならなかった」
現実味のある点にこだわった理由は、デナーリスとドラゴンたちの親子関係にもある。「ダニー(デナーリス)は愛情を込めてドラゴンたちの皮膚や鼻先に触れる。だから、観客にもドラゴンに愛着を持ってもらうことが重要だった。とはいえ、擬人化するのでなくドラゴンらしさは維持しなければならないので、絶妙な匙加減が必要だったね」
また、ドラゴンたちが飛ぶ展開に合わせて体型も細かく変更されていった。「翼をもう少し大きくし、鳥を参考にして胸骨も変えた。鳥は大きな胸があることによって飛ぶだけの筋肉を備えられるわけだからね。そしてドラゴンの皮膚はトカゲに似ているけれど、一口にトカゲと言っても非常に多くの種類がいるので何度も見直したよ。自然から得られる以上にクールなアイデアなんてない。すべてそこにあるんだ。ポイントはたくさんある中から何が正しいかを見極めることで、とても面白い作業だったよ」
上が第四章、下が第五章のドラゴン。どちらも飛翔中のポーズだが、第五章では翼だけでなく腕の存在が強調されている
ドラゴンの背中に人が乗るという展開も、ドラゴンの造形を見直すきっかけの一つになった。「ダニーがドラゴンの背中に初めて乗った時、トゲのデザインを修正したよ。乗った彼女がつかめるようなものが必要だったからね。さらに第七章で一人でなく大勢の人間が乗るシーンが出てきた時には、より多くの人が乗れるよう考え直した」
乗っている間だけでなく昇り降りのことも考慮されている。「ドラゴンは巨大なわけだけど、ダニーがケガをしたり、フリークライミングの名手と見えたりしないように、昇り降りできるようにしなければならなかった。とても大きなチャレンジだったよ」
第二章でドラゴンを手掛けるようになった時は、原作を読んでおらず「『ゲーム・オブ・スローンズ』が一体何なのかも、これだけの人気シリーズになることも知らなかった。でもまるで『ロード・オブ・ザ・リング』や『ハリー・ポッター』シリーズを手掛けるくらい特別な体験だったよ」と回想するマーティンたちが新シーズンで今一度どんな風にドラゴンをアップデートさせたかも注目の『ゲーム・オブ・スローンズ』最終章は、4月15日(月)よりBS10 スターチャンネルにて放送。
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『ゲーム・オブ・スローンズ』
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