ホラーの巨匠スティーヴン・キングによる人気小説「ダークタワー」のドラマシリーズが米Amazonで製作されるというニュースをお伝えしていたが、残念ながら企画は頓挫したことが分かった。米Deadlineが伝えた。
1982年から2012年にかけて長編8本、短編1本が発表された、キングが「ライフワーク」と表現する大長編の「ダークタワー」は、ダークファンタジー、SFファンタジー、ホラーやウェスタンと様々な要素を含み、壮大なストーリーが展開する。そもそも2010年頃に映画とドラマシリーズの両方で映像化するという構想がユニバーサル・ピクチャーズで立てられたが、一度は製作中止が決定。その後、監督や製作スタジオが何度も変わった末に、ソニー・ピクチャーズと製作会社のMRCがイドリス・エルバ(『刑事ジョン・ルーサー』)とマシュー・マコノヒー(『TRUE DETECTIVE/二人の刑事』)を主演に映画を製作。これと合わせてドラマシリーズの製作もあらためて企画されたが、ソニー・ピクチャーズのもとではうまくいかず、紆余曲折を経てAmazonにて製作が再開されるはずだった。しかし、Amazonの上層部は、本作のパイロット版が同スタジオで進行中の『ロード・オブ・ザ・リング』ドラマ版や長編ファンタジー小説「時の車輪」のドラマ化のようなレベルにはないと判断し、シリーズ化を断念したという。
「ダークタワー」のドラマシリーズは、不評だった映画の反省を踏まえ、原作に忠実に製作する方針とされていた。ローランド・デスチェインの起源に焦点を当て、彼がどのようにガンスリンガーとなり、黒衣の男と対立したのかや、彼の初めての愛についても描かれる予定だった。
キャスティングに関しては、正式な発表はされていなかったものの、サム・ストライク(『NIGHTFLYERS/ナイトフライヤー』)、ヤスペル・ペーコネン(『ブラック・クランズマン』)、マイケル・ルーカー(『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』)、ジェローム・フリン(『ゲーム・オブ・スローンズ』)らの名前が報じられていた。
残念ながら「ダークタワー」の企画は流れてしまったが、キング作品の新たなドラマ化としては、2017年に出版された「Sleeping Beauties(原題)」を題材にしたTVシリーズが米AMCにて製作される。アパラチア山脈の中の小さな町を舞台に、すべての女性が眠りに就くという不可解な現象が発生し、町の男性たちは女性たちを救おうとするが、そもそも女性たちは助けられることを望んでいるのか...というミステリー作品だ。マイケル・シュガー(『13の理由』)とアシュリー・ザルタ(『マニアック』)が製作総指揮を務める。また、米Appleにて「リーシーの物語」のドラマ化も進められている。(海外ドラマNAVI)
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映画『ダークタワー』