ゾンビ作品マニアによる"設定別"ゾンビドラマ・映画の魅力

根強い人気を誇る『ウォーキング・デッド』シーズン10の追加エピソードの放送がFOXチャンネルでスタートし、日本の地上波では竹内涼真主演のゾンビドラマ『君と世界が終わる日に』(日本テレビ系)が放送されるなど、ゾンビを扱った映画やドラマは国内外で多くの人に愛され続けています。ありとあらゆるゾンビ映画・ドラマが作られるなか、それぞれゾンビの習性や設定、テーマを工夫して、クリエイターたちが今までにない新しいものを生み出すことでゾンビ作品マニアたちを喜ばせてきました。そんなマニアの一人でもある筆者が、王道のものから少しマイナーなものまでオススメしたいゾンビ映画・ドラマの魅力をご紹介したいと思います!

<目次>

1.ゾンビ映画の金字塔を継承した『ウォーキング・デッド』
2.全速力で走る姿が超絶怖い韓国ゾンビ
3.逃げ場がないワンシチュエーションゾンビ作品
4.設定が斬新なシリアス系ゾンビ映画

ゾンビ映画の金字塔を継承した『ウォーキング・デッド』

20210310zombi01.jpg

ゾンビ映画の金字塔と言われるジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ』を継承したスタイルで、昔からのゾンビファンにも人気のドラマ『ウォーキング・デッド』

"ウォーカー"と呼ばれるゾンビに噛まれたら必ず感染し、ウォーカーの頭を潰すことで退治が可能、更にウォーカーはゆっくり襲ってくるので大群に囲まれなければ逃げられるといったゾンビの生態は、ロメロ監督が一番はじめに作り出したもの。

ロメロ監督へのリスペクトが強いのには理由があって、『ウォーキング・デッド』で特殊効果や監督を務めているグレッグ・ニコテロは、『ゾンビ』の特殊メイクを務めたトム・サヴィーニのもとで特殊効果を学んでいたり、ロメロ監督の『死霊のえじき』や『ランド・オブ・ザ・デッド』などに役者として出演しているというゾンビファンの間では有名な人物なんです。だからこそ本格的な特殊メイクや特殊効果で作品にリアリティを与え、更に人間同士の争いもしっかりと描いた人気ゾンビドラマを作り上げることができたと言えます。

現在はファイナルとなるシーズン11の撮影が始まっていて、他にも既にシリーズとして人気のスピンオフドラマ『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』『ウォーキング・デッド:ワールド・ビヨンド』、これから公開予定のアンドリュー・リンカーン演じるリックが主役となる映画版、本家の放送後に始まるダリル(ノーマン・リーダス)とキャロル(メリッサ・マクブライド)のスピンオフドラマとなど、『ウォーキング・デッド』ファンにはたまらない企画が満載なのもこの作品の魅力です。

全速力で走る姿が超絶怖い韓国ゾンビ

20210310zombi02.jpg

『ウォーキング・デッド』と同じく、噛まれたら感染&頭部の破壊か首の切断でゾンビを退治できるというルールはそのままに、"気温が高いと活動できない""火や水を怖がる""感染者の死肉を食べると感染する""猛スピードで走る"という設定が加わって新たなゾンビの面白さを打ち出してきたのがNetflixオリジナル韓国ドラマ『キングダム』

朝鮮王朝時代を舞台に、人気俳優のチュ・ジフンやペ・ドゥナ(『センス8』)といった豪華キャストがゾンビと格闘するアクション大作です。このドラマは、感染者が一気に増えるシーンが地獄絵図のように恐ろしく、その発想の斬新さに筆者は大興奮してしまいました。また、全速力でゾンビの大群が追いかけてくる絶望感はノロノロゾンビしか出てこない作品では味わえないので、『28日後...』や『ドーン・オブ・ザ・デッド』、『新感染 ファイナル・エクスプレス』あたりが好きな人にもオススメ!!

更に宮廷ドラマあるあるの権力争いも面白く、全く飽きさせない作りになっています。現在はNetflixでシーズン2まで配信中で、シーズン2のラストに出てきた謎のキャラ"アシン"がメインの『Kingdom:Ashin of the North(原題)』の配信やシーズン3の製作も決まっています。

★『キングダム』を今すぐ視聴する★

逃げ場がないワンシチュエーションゾンビ作品

20210310zombi03.JPEG

森の中や荒廃した町を舞台にしたゾンビ作品はよくありますが、登場人物たちがひとつの建物でゾンビと死闘を繰り広げるワンシチュエーションの作品は、適度な緊張感が味わえるところが魅力。中でも高校が舞台の『フリーキッシュ 絶望都市』はメインキャラが全員10代なので、キラキラ要素ゼロの青春学園ドラマとしても楽しめます(笑)

物語は化学工場の爆発事故の影響でゾンビが蔓延した世界で、生徒たちが高校に取り残されてしまったところから始まるのですが、その生徒たちが協力したり裏切ったりして生き延びようとサバイバルする姿にハラハラドキドキさせられます。ちなみにゾンビは走って追いかけてくるので、逃げ場のない狭い校内は怖さ倍増で最高です。現在Huluでシーズン2まで配信中で、残念ながらシーズン3は作られないとのこと。

\『フリーキッシュ 絶望都市』を観るならココ!/

U-NEXTで観る

(2022年3月時点での情報です)

もうひとつワンシチュエーションゾンビものでオススメなのが、フランスのゾンビ映画『リビング・デッド サバイバー』。

ホームパーティーの最中の元カノの家を訪れた男性サムが、うっかり部屋で一人で寝てしまい、翌朝目覚めると部屋は荒らされ血しぶきが飛び散る壮絶な光景を目にして...という絶望的な状態から物語がスタートします。アパートの外も中もゾンビだらけのなか、行き場を無くしたサムが最初にやるのが食料などを調達して引きこもる準備をすること。その様子が冷静すぎて思わず笑ってしまいます(笑)

この作品は、走るゾンビにサムが襲われるシーンはあるものの、ほとんどが"孤独と向き合うサム"を見せていくという全体的に静かな作りになっています。それでも飽きないのは、部屋のインテリアが素敵だったり、音楽が大好きなサムが思い切りドラムを叩いてストレス発散したり、"これ本当にゾンビ映画ですか?"と思ってしまうほど美しい映像が満載で面白いんです。パッケージのジャケットからは想像つきませんが、なんならオシャレゾンビムービーと言っても過言ではありません(笑)こちらはAmazon Prime Videoのレンタルなどで視聴可能なので、気になった方は是非ご覧ください!

設定が斬新なシリアス系ゾンビ映画

最後にオススメするのが、ウィルスの蔓延によって人類のほとんどが凶暴な「ハングリーズ」と化した近未来の世界が舞台の映画『ディストピア パンドラの少女』

ウィルスに感染しながらも思考能力を持ち続け、見た目は全く普通の「セカンドチルドレン」と呼ばれる少女メラニーと、彼女に人類の希望を託す大人たちの姿を描いた作品で、セカンドチルドレンの中でも高い知能を持ったメラニーが終盤に思い切った選択をする姿に考えさせられます。一度ゾンビになってしまった人間が薬物治療などで人間と共存するドラマ『ゾンビ・アット・ホーム』や映画『CURED』などもシリアスな内容で見応えありますが、『ディストピア パンドラの少女』は生まれた時からウィルスと共生して知能も持っている子どもが主人公というのが斬新。ゾンビ(ハングリーズ)でも人間でもないメラニーの視点で観ると、ゾンビ映画の新たな魅力に気付くはずです。こちらはNetflixで配信中。

今後も驚きの設定や斬新なアイデアでゾンビファンの心をくすぐる作品が沢山作られると思うので、様々なゾンビ作品でそれぞれの違いを比べながら楽しんでみてはいかがでしょうか?

『ウォーキング・デッド』を見るならDisney+ (ディズニープラス)
★docomoアカウントでのご登録はこちら
Disney+ (ディズニープラス)

★その他のご登録はこちら
Disney+ (ディズニープラス)

Photo:『ウォーキング・デッド』(c)2019 AMC Film Holdings LLC. All Rights Reserved. 『キングダム』©Juhan Noh/Netflix 『フリーキッシュ 絶望都市』© 2018 Warner Bros. Japan LLC All rights reserved.