大人気ドラマ『HAWAII FIVE-0』でチン・ホー・ケリーを演じたダニエル・デイ・キム。残念ながらシーズン7で本作を降板していたダニエルだが、その経緯を初めて赤裸々に語った。米TV Lineが報じている。
2017年に同作を去ったダニエルだが、Vulture誌のインタビューでこれまでギャラでもめて降板と報道されていた件について、一石を投じた。
「これまできちんと報じられたことがなかったのは、(以前出演した)『LOST』から『Hawaii Five-0』に出演するにあたってかなりの減給があったこと。その報酬減は劇的なもので、埋め合わせされることはなかった。でも、白人が多くないハワイを舞台にしたドラマだから、他とは違うのではないかと期待していた。複数のキャストが主役のようなアンサンブル作品だと思ったし、初期のマーケティングやプロモーションを見ると、(コノ・カラカウア役の)グレイス・パークと私も他のキャストと同じように紹介されていたので、全員がメインキャストになると信じていたんだ。でも、それは間違いだった。 作品が始まるとき、"これは複数人がメインキャストの作品になるのか"と尋ねたところ、"そうなる"と言われた。でも、契約書にサインした時点で、もうどうしようもできない。ある時点で、このシステムにどれだけ逆らおうとするのか、それともシステムの中でどれだけ働けるのか、という方針になったんだ。(『LOST』の時からハワイに住んでいて、当時上の子が高校入学、下の子も小学生で引っ越したくなかったので)家族が最優先だったからこそ、私はこのシステムの中に留まることができた。ハワイに住むためには十分な報酬を得ていたし、大好きな演技で生活できていた。だけど、それで完璧だったかと言われると、そうではなかった。でも、十分ではあった」
ダニエルは、シーズン7の終わりで契約を更新する際に、共演者であるスティーヴ・マクギャレット役のアレックス・オローリンとダニー・ウィリアムズ役のスコット・カーンとの報酬の差を埋めようと"全員を平等な報酬にして欲しい"と頼んだそうだ。
また、同じアジア系のグレイスと共に番組を去ったことについてダニエルは、「私たちに共通していたのは、契約が同じ時期に終了したことと、アジア系アメリカ人だったこと」とだけ述べた。さらに、「私やグレイスが降板したことは、アジア系の俳優にとって意味があることだったと思う。"やめる"と言える余裕があったから。私たちがノーと言えないなら、他にそう言える人はいないからね」と話し、アジア系俳優のために去る決断を下していたことを明かした。また、降板を決めたことで変わってしまった共演者との仲についても言及。「共演者全員が味方だったかどうかを一概に言うことはできない。ただ最終的に彼らとの関係が変わったことは確かだ」
残念な形での『HAWAII FIVE-0』降板となったが、ダニエルはその後『グッド・ドクター 名医の条件』ではゲスト出演だけでなく製作総指揮も担当。アメリカで起きた感染症の恐怖を描くアンソロジーシリーズ『ホット・ゾーン』のシーズン2でははじめて主演を務めた。ダニエルの経歴や家族構成、現在進んでいるプロジェクトの情報も併せてチェックしてみて欲しい。(海外ドラマNAVI)
Photo:『HAWAII FIVE-0』シーズン7 © 2017 CBS Broadcasting, Inc. All Rights Reserved.