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ワーナー買収先はNetflixでなくParamountに。その背景と影響とは?

2026年3月3日 ※本ページにはアフィリエイト広告が含まれます

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ワーナー・ブラザース

『ハリー・ポッター』『バットマン』『ゲーム・オブ・スローンズ』『ザ・ソプラノズ/哀愁のマフィア』など数多くの人気シリーズを持ち、100年以上の歴史を誇る大手エンタメ企業ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(以下ワーナー)。先日同社は、Netflixのオファーを覆し、Paramountに買収されることが決定した。その決着の背景や今後の影響について、米Varietyなど複数のメディアが報じている。

業界に衝撃!Netflixのワーナー・ブラザース買収に対する世界の反応

Netflixがワーナー・ブラザース・ディスカバリーを827 …

Netflixは負けたのでなく勝負を降りた?

昨年12月にNetflixがワーナー買収をめぐる入札に勝利したと発表されていたが、2月26日(木)、Paramountがワーナーを一株当たり31ドル(約4836円)、合わせておよそ1110億ドル(約17兆円)で買収することを提案。対してNetflixは上回る金額を提示せず、撤退した。

NetflixのCEOテッド・サランドスは、ワーナーCEOのデヴィッド・ザスラフに電話をかけて買収から撤退することを伝えた後、「我々は常に規律を守ってきた。この取引はもはや財務的に魅力的ではない」と発表。社員たちに送られた社内メールも同様の趣旨を伝えていた。つまり、今まで30年近くそうしてきたように、同社は買収に大金を使うのではなく、自社コンテンツ等を充実させていくということだ。

Netflixとの競争に勝った形のParamountだが、ここからが本当の正念場だ。この大規模な統合は独占禁止法の審査対象となる。そして規制当局の承認を得られる(業界関係者は少なくとも1年はかかると予測)としても、780億ドル(約12兆円)を超える負債を抱えながら、衰退するケーブル事業を管理しつつ、ストリーミング事業を成長させなければならない。

そんな状況のParamountが「年間少なくとも30本の映画を劇場公開する(これは他製作スタジオを大きく引き離すほどの本数)と同時に、ストリーミング向けコンテンツの制作を増やす」という公約を果たせるかについて懐疑的な見方を示す業界幹部もいる。

ワーナーの買収が完了したとしても、Paramountはハリウッドの頂点に返り咲くため、さらに険しい道のりを歩むことになる。まずは新体制がパラマウント・ピクチャーズとワーナー・ブラザース・ピクチャーズ、ワーナー・ブラザース・テレビジョン、CBSスタジオ、パラマウント・テレビジョン・スタジオといった数多くのブランドを抱える中で誰を残して誰を解雇するかを決める過程において、上級管理職による『ゲーム・オブ・スローンズ』を凌ぐほどの闘いが繰り広げられるだろう。同様の問題はHBO MaxとParamount+、そしてCNN、TNT、TBS、カートゥーンネットワーク、ディスカバリーチャンネル、TLC、アニマルプラネット、フードネットワーク、HGTVを含むワーナーの抱える膨大な数のケーブルチャンネルの管理に関してもつきまとう。

この巨大統合に対する懸念の声もすでに聞こえている。政治家のエリザベス・ウォーレンは、「この規模の統合は競争を減少させ、消費者の選択肢を狭め、制作スタッフの交渉力も低下させる可能性がある」と指摘。具体的には、企業が権力を持ち過ぎて、脚本家組合に所属するクリエイター陣の交渉が不利になったり、制作や配信の条件が企業側にとって有利に動いたり、消費者からするとストリーミング料金の上昇などが考えられる。

今回の買収で特にカリフォルニア州のワーナーの従業員にとっては、「人員削減」という一言が気になるだろう。重複する部門が統合されることで大幅な人員削減が予想される。また、ParamountはCBSニュースを、ワーナーはCNNを所有しており、統合後は24時間ニュースネットワークは二つも必要ないのではないかという意見が出てくるだろう。CNNやCBSで働くジャーナリストにとっては組織再編と言えるかもしれない。

Netflix

ちなみに、Netflixは入札に勝利したと発表した後で株価が急落していたが、今回買収から手を引いたところ株価がおよそ10%の上昇を見せており、ワーナーとの合併はあまり世間から支持されていなかったようだ。その理由の一つは、Netflixのサランドスが映画館ビジネスへのコミットメントに懸念を示し、かつて劇場公開を時代遅れと一蹴したからだと言われている。そのため、買収した暁にはワーナー映画を劇場公開し続け、従来のホームエンターテインメントの公開時期を尊重するというNetflixの公約は懐疑的に見られていた。ほかには、買収によって生じるはずだった財政面でのリスクがなくなったこと、その分自社コンテンツ等に投資できることなどが、株価上昇の要因として挙げられる。

今回の買収が最終的に成立すれば、ワーナー、HBO、CNN、TNTなどのチャンネルが売却されるのは、近年で3度目となる。まずは2018年にAT&Tがトランプ政権初期の独占禁止法訴訟に勝利しタイム・ワーナー買収を確定させ、2022年にはディスカバリー社とのワーナーメディア合併が実現していた。果たしてワーナーとParamountという業界最大級の合併はスムーズに前進していくだろうか。(海外ドラマNAVI)


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参考元:米Variety①Variety②米Desert Sun

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海外ドラマNAVI編集部

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