『名探偵ポワロ』のタイトルロールを四半世紀にわたって演じ、ナイトの称号を持つ“サー”・デビッド・スーシェが、ポワロの作者アガサ・クリスティーがかつて訪れたイギリス自治領を巡る旅に出る『デビッド・スーシェと巡るアガサ・クリスティーの旅』が、12月21日(日)19:15よりミステリーチャンネルにて独占日本初放送となる。2024年6月に制作が報じられた時から日本でも話題となっていた同番組についてご紹介しよう。
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ポワロが作者の足跡を辿る『デビッド・スーシェと巡るアガサ・クリスティーの旅』独占日本初放送!
『名探偵ポワロ』のタイトルロールを四半世紀にわたって演じたデ …
クリスティー&デビッドの素顔が明らかに

1922年、31歳だったアガサ・クリスティーは、夫アーチーの付き添いという形で、1924年にロンドンで開催される大英帝国博覧会を宣伝するため、使節の一員としてイギリス自治領を巡る旅に出た。それからおよそ100年後、クリスティーの足取りを追う形で、デビッドが南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランド、ハワイ、カナダを訪ねる。
当時のクリスティーは「スタイルズ荘の怪事件」(1920年)と「秘密機関」(1922年)を出版した程度で、まだ作家としてはほとんど知られていなかった。しかし、そんな無名時代でも観察力や表現力を備えていたことが、当時の手紙の文面などから伝わってくる。そのほかにも、彼女がキャリア初期に応じた貴重なインタビューや、旅行中の写真が紹介される。さらに、クリスティーが「(小説の)主人公を通じて自分の感想を述べていると確信している」と語るデビッドが、この旅で得た要素を盛り込んだと思われるクリスティーの小説や、当時のことを綴った自伝を読み上げてくれるので、クリスティー&デビッドのファンにとってはたまらないだろう。

エルキュール・ポワロ役を通じてクリスティーのエキスパートとなったデビッドだが、そんな彼が知る内向的で取材嫌いなクリスティーとは違う姿が今回の旅を通して浮かび上がってくる。「アガサのことを知れば知るほど、私の中のイメージが変わってきた」と嬉しそうに語るデビッドが新たに発見した、“ミステリーの女王”の素顔とは――。
また、この番組ではデビッド自身の人となりやルーツも明かされていく。例えば、父方の祖父はポワロのようにシャレ者だったそうで、彼の写真を見たデビッドは「口髭を足したら、まるでポワロ」と発言。新聞社のカメラマンだった母方の祖父から手ほどきを受けたデビッドが、お気に入りのカメラで行く先々、出会った人々を撮影した写真も映し出される。

復元された年代物の列車に乗り、ドレスコードがある夕食のためにタキシード&蝶ネクタイで正装したデビッドからは、「voilà(どう?)」というポワロの口癖も飛び出す。「(ポワロというキャラクターによく似合う)この列車で旅をしていると、ポワロと一緒にいる気がする」と語る彼は、『名探偵ポワロ』出演時に自作した「ポワロの特徴一覧」を紹介。自伝「ポワロと私」の中でも言及されていたこのリストは全部で93項目(!)あるそうで、その一部をデビッド本人が読み上げるくだりは必見だ。
100年あまり経ったタイミングでの“聖地巡礼”にもかかわらず、クリスティーが目にした当時と同じ景色、建物がいくつも残っており、「まるでタイムスリップした気分」とデビッドを驚かせる。
南アフリカのケープタウンでクリスティーが泊まったホテルでは、特徴的なピンク色の外観(第一次世界大戦終戦を祝して塗られた)が健在。オーストラリアのタスマニア州ホバートでは、使節が見学したジャム工場の一部がホテルとして残る。構造がほとんど変わらないそのホテルでは約20年前の開業当初、天井から血が落ちてきたとの逸話も…。まるでクリスティーの短編集「火曜クラブ」の一編「舗道の血痕」のワンシーンを彷彿とさせる話を聞いたデビッドは、「アガサの作品に登場しそう」と反応。“血”の真相は、実際に番組で確かめてみてほしい。
そして、クリスティーをかつて感動させた美しい景観も登場。彼女が最初の感動を覚えておきたくて敢えて再訪しなかったほど大事な思い出にしていたのと同じ風景を目にしたデビッドは、「ただただ素晴らしい」と声を震わせることに。

ただし、1920年代の面影を探す旅は、同時に帝国主義の傷痕を映し出すものでもあり、イギリスが当時の植民地やそこで暮らす人々にどんな仕打ちをしたのかも綴られていく。ある話を聞いたデビッドが、「人間のすることじゃない」と義憤に駆られる場面も。こうした傷痕は昔の話に限らず、まだ終わっていないことも明らかになる。
一連の旅がクリスティーの人生と作品に与えた影響を探り、アガサの知られざる一面に迫るとともに、ポワロことデビッドの素顔も垣間見え、歴史の暗部も知ることができる『デビッド・スーシェと巡るアガサ・クリスティーの旅』(全5話)は、12月21日(日)19:15よりミステリーチャンネルにて一挙放送。
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