イギリスが世界に誇る“ミステリーの女王”ことアガサ・クリスティー。その足跡を辿る新たなドキュメンタリー番組のナビゲーターを、これ以上ぴったりな人選はいないであろう適任者が務めることが分かった。米Deadlineが伝えている。
クリスティー作品の謎をポワロと一緒に解き明かす
『Travels with Agatha with Sir David Suchet(原題)』というタイトルの番組では、『名探偵ポワロ』でクリスティーの生んだ有名な探偵の一人、エルキュール・ポワロを演じたデヴィッド・スーシェがナビゲーターを務める。
英ITVで1989年から2013年まで四半世紀にわたって放送された英国ミステリードラマ『名探偵ポワロ』では、クリスティーが執筆したポワロの長編作品をすべて映像化。主演のデヴィッドは原作小説を読み込んで作者の意図するキャラクターを体現し、「史上最高のポワロ」と称えられている。
そんなデヴィッドが辿るのは、クリスティーが1920年代に行った国際遠征。当時イギリス帝国領だったカナダ、ハワイ、南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリアを貿易使節団の一人として訪れた際の旅路を再現するという。全5回でこれら5つの国を、各回で1ヵ国ずつ取り上げる。撮影は今年の夏に開始され、年末に英Channel 4やBritBoxなどでリリース予定。
デヴィッドは今回の番組出演について次のように述べている。「アガサ・クリスティーの象徴的なキャラクターであるエルキュール・ポアロを四半世紀にわたって体現してきた私が、恐らく歴史上で最も偉大な推理作家の足跡を辿って世界を旅するなんて、とても光栄です。彼女が常に私に寄り添い、知識、旅行、考古学、そしてもちろんミステリーへの情熱を共有するようにと促してくれる気がします」
「デヴィッド・スーシェのアガサ・クリスティーに関する知識と情熱は、ほかに類を見ないものです。この作家の巡礼の旅に乗り出すのに、彼以上にふさわしい人物はいません」と太鼓判を押すのは、製作に関わるイアン・ラマラ。国際配信の権利を有するAbacusのマネージングディレクターであるジョナサン・フォードは、「デヴィッドとともに贈るこの番組では、視聴者に世界文学の謎の一つについてもっと知るための興味深い旅を提供します。クリスティーが訪れた場所を探検し、彼女が出会った人たちについて知ることは、彼女の作品にのちにどういう影響を与えたかを知ることにつながるのです」と、この番組の意義を説明している。
概要を聞くだけで期待が高まるドキュメンタリー番組が、日本にも上陸してくれることを期待したい。(海外ドラマNAVI)
参考元:米Deadline
Photo:『名探偵ポワロ』© ITV PLC