『名探偵ポワロ』デヴィッド・スーシェ、25年続くと知っていたら出演しなかった!?

“ミステリーの女王”アガサ・クリスティーが書いたエルキュール・ポワロの小説のほぼすべてを25年かけて映像化した英ITVの人気ミステリー『名探偵ポワロ』で、タイトルロールを務めたデヴィッド・スーシェ。そんな彼から思いもかけない言葉が飛び出した。

当初は1シーズンだけの契約だった

ITVで1989年に始まった『名探偵ポワロ』は、全13シーズンのうち最初の5シーズンは立て続けに放送されたものの、シリーズ途中からはシーズンの間が数年開くことも増え、最大で4年近く放送されないこともあった。それでもシリーズ前半は短編小説を中心に、後半は長編小説を中心に映像化されてゆき、2013年に全70話で終了している。

世界中で愛されるシリーズに参加し始めた当初は40代前半だったデヴィッドも、終わる頃には60代後半に突入していたが、四半世紀も続くと最初から知っていたら出演しなかっただろうと話している。

ITVのトーク番組に出演したデヴィッドは、代表作である『名探偵ポワロ』について次のように話した。「(番組は2013年に終了したけれど)私はポワロを手離すことができないよ。25年間、彼は私の人生の一部だったからね。とはいえ、四半世紀にわたってあの役を演じるとは思わなかった。当初は1シーズンだけの契約で、彼らがその後も続ける気があるとは知らなかったんだ。もしも25年間一人のキャラクターを演じるという形のオファーをされていたら断っていただろうね」

デヴィッドは『名探偵ポワロ』がシリーズフィナーレを迎える直前に発表した自伝「ポワロと私」の中で同作のことを回想しており、クリスティーが描こうとしたポワロ像を守るために監督や衣装係と何度も話し合ったり、毎回なかなかシーズン更新が決まらずにヤキモキさせられたりしたと綴っている。そうした気苦労もあっての発言かもしれない。もちろん、俳優として様々な役柄にチャレンジしたいという思いもあるだろう。

とはいえ、ポワロを演じたことに後悔はないようだ。「私は舞台にだって出られたし、ハリウッドに行くこともできた。ほかの映画やドラマにも出演できて、素晴らしいキャリアだったよ」と出演当時を振り返った。

また、いまだにクリスティーの大ファンだそうで、「彼女は根拠なく“ミステリーの女王”と呼ばれているわけじゃない。その名にふさわしい活躍を見せてきたからこそだよ」と、今もイギリスにとどまらず世界各地でその作品をもとにした映画やドラマ、舞台などが作られ続けているクリスティーの才能を称えた。(海外ドラマNAVI)

参考元:英Yahoo News

Photo:『名探偵ポワロ』© ITV PLC