
英ITVの人気ミステリー『名探偵ポワロ』でタイトルロールを務め、作者アガサ・クリスティーが描いたポワロ像に最も忠実と称賛されるデヴィッド・スーシェ。そんな彼は、ほかの人が演じたポワロ作品を見ていないという。
見ないことにしている正当な理由とは?
本国イギリスで1989年から2013年まで続いた『名探偵ポワロ』で、ベルギー生まれの私立探偵エルキュール・ポワロに扮したデヴィッド。原作小説を読み込み、几帳面で綺麗好きの洒落者、大きな口髭が特徴的で“灰色の脳細胞”を活用する自信家の名探偵というキャラクター像を作り上げた。ほぼすべての原作を映像化したこともあり、『名探偵ポワロ』こそが「ポワロ作品の決定版」という意見も多い。
とはいえ、ポワロ役には彼以外にも多くの俳優が扮してきた。デヴィッド以降には、2017年に始まった映画シリーズ(『オリエント急行殺人事件』『ナイル殺人事件』『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』)でケネス・ブラナーが、2018年に英BBCで放送されたミニシリーズ『アガサ・クリスティー ABC殺人事件』でジョン・マルコヴィッチが、それぞれのポワロを表現している。しかし、およそ6年半ぶりのドラマ出演に合わせて英Radio Times誌の取材を受けたデヴィッドは、ケネスとジョンのポワロは、ちゃんとした理由があって見ていないのだと明かした。
「彼らの作品は見ていないよ。というのも、未見なら何も言わなくて済むからね。取材を受ける度に同じ質問をされるんだ。きっと、私が彼らのポワロを“気に入らない”と言うことを期待しているんだろう。だが、私はあの素晴らしいキャラクターを演じる俳優全員の幸運を祈っているよ」
ほかのポワロに対する意見を聞かれることが多いことから、そうした問いに答えなくて済むよう、あえて知らないままでいるというデヴィッド。そんな彼は、何度も映像化される通り、人々に今も愛されるポワロというキャラクターの存在の大きさについて、具体的なエピソードも挙げつつ語った。
デヴィッドは50年の俳優人生を振り返る単独ツアー「Poirot and More - A Retrospective」を2024年初めに行っていたある夜、「ポワロの恰好をした9歳の子どもに出会ったんだ。その子は、口髭から、ポワロがスーツにいつも着けている花瓶のデザインのブローチ、スパッツまで完璧に再現していたよ。そんな風にあらゆる世代に愛されているんだ。俳優人生を歩んできて最も嬉しい部分だね!」と回想する。
クリスティーの生誕135年となる今でも、彼女の作品は映画やドラマ、舞台などに次々と生まれ変わっている。だがケネス、ジョンのほかに新たなポワロ俳優が登場したとしても、“最高のポワロ”ことデヴィッドの意見を聞くことはできなさそうだ。
『名探偵ポワロ』全13シーズン、『アガサ・クリスティー ABC殺人事件』はU-NEXTにて配信中。(海外ドラマNAVI)
参考元:英Radio Times
\新規登録なら31日間無料!/
- 業界最長の31日間無料!※通常月額2,189円(税込)
- 無料期間でも600円分のポイントがもらえる
- 業界最大の見放題作品数!
Photo:『名探偵ポワロ』© ITV PLC/『オリエント急行殺人事件』© 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation./『アガサ・クリスティー ABC殺人事件』© Agatha Christie Productions Ltd. MMXVIII