数多くの映画やドラマ、舞台で名演を披露してきたキャシー・ベイツがもうすぐ俳優を引退する意向だと明かした。
今一度、リーガルドラマに再挑戦
1948年生まれのキャシーは、1971年に端役で映画デビューを果たして以降、当初は舞台を中心に活動。映画界で注目されたのは40代に突入した1990年と遅咲きだ。スティーヴン・キングの原作をもとにした『ミザリー』で、交通事故に遭った人気作家を監禁する元看護士のファンを怪演してアカデミー賞主演女優賞を受賞した。その後も、主婦のような見た目と圧倒的な演技力を生かして、『フライド・グリーン・トマト』『黙秘』『パーフェクト・カップル』『ウォーターボーイ』『アバウト・シュミット』『ミッドナイト・イン・パリ』『リチャード・ジュエル』などの作品に出演。1997年の『タイタニック』で演じた“浮沈のモリー・ブラウン”役で覚えている人も多いのではないだろうか。
2000年代からはドラマの仕事も増え、リーガルドラマ『ハリーズ・ロー 裏通り法律事務所』にハリエット・“ハリー”・コーン役で主演。『ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則』でエイミーの母親を演じたほか、『シックス・フィート・アンダー』『アメリカン・ホラー・ストーリー』などにも姿を見せた。1990年代からは監督としても活動するようになり、前述した『シックス・フィート・アンダー』以外にも『ホミサイド/殺人捜査課』『NYPD BLUE ~ニューヨーク市警15分署』『OZ/オズ』『エバーウッド 遥かなるコロラド』といったドラマでメガホンを取っている。
今年6月に76歳となったキャシーは、米CBSで今月22日(日)から始まる新作ドラマ『Matlock(原題)』に主演することが決まっているが、同作が自身にとって最後の作品になる意向を表明。8日に発行された米New York Times紙のインタビューで、「これが私にとって最後の作品になる」と明かした。もともとは昨年撮ったある映画を最後に引退するつもりだったが、今年初めにこの新作ドラマの脚本がエージェントから送られてきたため、もう少し続けることにしたという。
『Matlock』は1980年代後半から1990年代半ばにかけて放送された人気ドラマのリメイク。主人公マットロックを男性から女性に変更し、一流法律事務所に再就職した弁護士のマデリーン・マットロックが狡猾な戦術で勝訴を勝ち取り、悪事を暴いていく姿を描く。
キャシーは、自分が若い頃に仕事で不当な経験を味わったことから、本作に興味を引かれたと説明。そんな作品について、「自分がこれまで祈り続け、努力し、切り開いてきたものすべてを、まとめて使うように求められて、とても疲れるわ」と述べている。
キャシーにとって最後の作品ということでより注目度が高まった『Matlock』は、米CBSにて9月22日(日)放送開始。日本上陸を楽しみに待ちたい。(海外ドラマNAVI)
参考元:米Deadline
Photo:キャシー・ベイツ ©NYZ20/Famous