『24 TWENTY FOUR』に登場する印象的な悪役キャラ5選

日本でも大ヒットした『24 TWENTY FOUR』。ジャック・バウアー(キーファー・サザーランド)に挑む悪役たちがいなければ、『24』はここまで名高い番組にはなり得なかっただろう。ここでは、典型的な悪役とは一線を画す魅力がある悪役や、ジャックの心身を追いつめる印象的な悪役など、番組に深みを与えたキャラクターたちをご紹介。

(※本記事は『24 TWENTY FOUR』のネタバレを含みます。)

ヴィクター・ドレーゼン(デニス・ホッパー)

『24』シーズン1とジャックのキャラクターアークに影響を与えた

『24』シーズン1のメインの悪役として登場したヴィクター・ドレーゼンは、デニスの卓越した演技力と邪悪なエネルギーがキャラクターに深みをもたらした。デニスのキャスティングについて、当初は懐疑的な見方もあったというが、彼はジャック・バウアーと対峙する役として存在感を発揮した。目的のためなら、手段を選ばない狡猾さを持つ。

ドレーゼンとジャックの関係は、シーズンを通して手に汗握る緊迫感を生み出し、ジャック・バウアーのベストシーンをいくつも演出。シリーズの中で最も象徴的な悪役とまではいかないが、ドレーゼンがシーズン1とジャックのキャラクターアークに与えた影響は大きく、将来登場する敵役のための強力な土台を築いたと言えるだろう。

マンディ(ミア・カーシュナー)

どれだけ手練れた危険人物だとしても、悪党は裁かれるということを思い出させてくれる

パイロット版では旅客機を爆破させ、シーズン2ファイルではパーマー大統領の暗殺を目論んだ神出鬼没の殺し屋マンディ。シーズン4では、最終的にCTUに捕まることになる。マンディとCTUの待望の対決は、複数シーズンにわたって築き上げられたもので、彼女のストーリーアークに終結感をもたらした。

マンディには、影に潜む未知の危険を象徴するような存在であり続けることを望む人もいたかもしれないが、彼女の逮捕はCTUの作戦の粘り強さと力を示した。どんなに手練れで危険な悪党でも、執念と意志の強さがあれば裁くことができるということを、マンディというキャラクターは思い出させてくれる。物語全体への影響力はほかの敵役ほど深くはないかもしれないが、彼女の存在はシリーズの複雑な脅威に深みを与えている。

ハビーブ・マルワン(アーノルド・ヴォスルー)

キャラクター設定とキャストの素晴らしい演技によって『24』の世界で際立った敵役となった

『24』の典型的な悪役の型を打ち破ったハビーブ・マルワン。当初は、二次的な脅威として登場する予定だったが、アーノルド・ヴォスルーの説得力ある演技によって、マルワンはシーズン全体を通して主要な敵役のひとりとなったのだ。もっともらしさを保ちながら複数のプロットを同時にこなす彼の能力は、キャラクター自体の深さと、アーノルドの演技に適応した脚本家の技量の証でもあるだろう。

敗北を喫しても大義を貫くマルワンは、シリーズのほかの敵役とは一線を画している。それは、ジャックとの最後の対決において、捕まるよりも反抗的な笑みを浮かべて自ら命を断つことを選ぶほどで、これは『24』シリーズの中でも印象に残る場面に。マルワンのキャラクター設定とアーノルドの演技力によって、彼は傑出した敵役となった。

チャールズ・ローガン(グレゴリー・イッツェン)

グレゴリー・イッツェンの見事な演技は一面的になりやすいキャラクターにニュアンスと深みをもたらした

チャールズ・ローガンは、ある意味で際立つ魅力と存在感を放った悪役。不甲斐なく操られやすい性格と、リーダーシップのなさは、英雄的なパーマー大統領とは対照的と言える。シーズン5の彼の物語はショッキングでありながら、ローガンというキャラクターに深みを加え、緊張感を高めた。

ローガンとジャックの関係は緊張の連続で、ジャックは真実を暴こうとする一方で、政治的な地雷原を切り抜けようと奮闘。グレゴリー・イッツェンのローガン役は見事で、一面的になりやすいキャラクターにもニュアンスと深みをもたらした。ローガンがシリーズに与えた影響は大きく、シーズン6での最後の登場はやや期待外れだったものの、敵としての存在感で魅せ続けた。

ニーナ・マイヤーズ(サラ・クラーク)

『24』で最も重要な敵役

CTUのアシスタント・チーフ。優秀だが、妻と別居していた時のジャックと付き合っていたことが原因で上司から「将来を棒に振った」と言われるように。ジャックと別れた後は部下のトニーと交際。セルビア語やドイツ語、アラビア語などに通じ、相手を揺さぶる心理術、交渉術にも長ける。

彼女がテリー(レスリー・ホープ)を殺害するという衝撃的な事件は、『24』の中で最も悲しい死のひとつであり、ジャックのハッピーエンドへの幻想を打ち砕き、シリーズの妥協しない姿勢を示すターニングポイントだった。視聴者が憎悪を向ける悪役としての地位を確立させたが、これはサラ・クラークの説得力のある描写の証だろう。

ニーナの裏切りと破滅的な結末は、ジャックのキャラクターアークの土台となった。シーズン3での再登場は必要ではなかったかもしれないが、一応の区切りをつけた。ニーナはシリーズを通して存在感を残す悪役であり続け、『24』にとって不可欠な存在となっている。

参照元:米Screen Rant

(海外ドラマNAVI)

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Photo:『24 TWENTY FOUR』© 2005 Fox Broadcasting Company, LLC. All rights reserved.