Netflixがこれまで明かしてこなかった視聴データを初めて公開。Netflix全体の99%に当たる世界中で視聴可能な18,000以上の作品の視聴データの詳細が明らかになった。
トップ30に入っても成功ではない?
数々のオリジナルシリーズを世に放ってきたストリーミングサービス大手のNetflix。その更新か打ち切りの判断は、費用に対してどれだけのパフォーマンスを発揮できたかに基づいて決定していると発表してきた。これまで週間ランキングのトップ10や最も見られた作品一覧などは公開してきたNetflixだが、これからは新たに年2回、「What We Watched: A Netflix Engagement Report」と題した視聴データを公開することを決定。その第1回にあたる2023年1月から6月までの上半期分が公開され、注目を集めている。
Netflix全体の99%に当たる作品の情報がまとめられた今回のレポート。その総視聴時間数は1000億時間に及ぶ。上半期に解禁されたオリジナル作品の60%以上がトップ10入りを果たしており、全視聴のおよそ30%を非英語作品が占めていることも明らかになった。
最近打ち切りが決定した作品の中で最も見られていたのは『暗黒と神秘の骨』。2021年に配信が始まったこのダークファンタジーは、シーズン2が今年3月16日にお披露目されると6月末までに1億9290万もの視聴時間を記録し、今年前半の26位にランクイン。世界中に熱狂的なファンを獲得していたが、11月中旬に打ち切りが決定した。ハリウッドで起きたダブルストライキの影響を受けての決定と思われる。Netflixはスピンオフドラマを企画していたほか、本作のビデオゲームも展開するなど肝入りの作品と思われていただけに、衝撃は大きかった。
もちろん、作品を更新するか否かの決定には受賞歴や費用も考慮されるようで、必ずしもパフォーマンスで決めきれない部分はあるが、『暗黒と神秘の骨』が作品継続を考慮する一つの基準になっていると言えそうだ。『ヴァイキング ~ヴァルハラ~』シーズン2(同22位)のように『暗黒と神秘の骨』の成績を上回っているものはすべて更新されている(※同11位の『MANIFEST/マニフェスト』シーズン4のように、もともと終了が決まっていたものは除く)が、『セックス/ライフ』シーズン2(同31位)のように下回っているものは打ち切りが決定済。『スイート・トゥース:鹿の角を持つ少年』シーズン2(同28位)は下回っていながらも更新されたが、来たるシーズン3をもって終了する予定だ。
一方、コメディには寛容なようで、『ザット‘90s ショー』や『アップショー・ファミリー』は全体的な視聴時間数ランキングで見ると上位ではないものの更新が決定。ちなみに上半期に解禁された新作(リミテッドシリーズを除く)の中で最もいい結果を出したのは2億超えを記録した『愛をこめて、キティより』(同24位)で、もちろんシーズン2へ更新されている。
「Netflixでの成功には様々な形があり、視聴時間だけで決まるものではありません。視聴時間が短くても長くても、大成功した映画やテレビ番組はあります」と述べているNetflix。新たな視聴情報の解禁は業界や市場にどのような影響をもたらすのだろうか。(海外ドラマNAVI)
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