Netflix、キム・キャトラル主演『グラマラス』や『暗黒と神秘の骨』を打ち切り

全米映画俳優組合(SAG‐AFTRA)のストライキが終了し、映画やドラマの撮影・制作再開が報じられる中、ストライキの影響で打ち切りになった作品も次々に登場している。Netflixは、『セックス・アンド・ザ・シティ』のサマンサ役で知られるキム・キャトラル主演ドラマ『グラマラス』など複数の番組をキャンセルした。

ストライキで番組打ち切りが増加?

米Deadlineによると、Netflixは『グラマラス』のほか、『暗黒と神秘の骨』と企画が進んでいた『暗黒~』のスピンオフドラマ『Six of Crows(原題)』、そして大人向けアニメシリーズ3作、『エージェント・エルヴィス』『ファルザール』『キャプテン・フォール』も打ち切ると発表した。

一方ストライキ中にもかかわらず、視聴数が好調だった『ONE PIECE』『リンカーン弁護士』『ジニー&ジョージア』『ナイト・エージェント』などは新シーズンへ更新されている。しかし、全米脚本家組合(WGA)とSAG‐AFTRAのダブルストライキによる脚本と撮影の遅延により、放送局と動画配信サービスのスケジュール計画が大混乱に。番組は予定されていた放送開始時期を逃し、2024年後半から2025年にかけて配信スケジュールの渋滞が発生する事態となっている。

また制作の中断により、『ナイト・エージェント』や『ONE PIECE』のように大ヒットした新シリーズ以外の番組は、新シーズンの配信開始まで大きな時間の空白が生じてハンデになってしまう。Netflixが打ち切った作品のうち、『暗黒と神秘の骨』以外はすべて1シーズンしか制作されていなかったため、損切りの形でキャンセルになったものと予想される。

なお、ハリウッドにおける4大CEO、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)のデヴィッド・ザスラフ、Netflixのテッド・サランドス、ディズニーのボブ・アイガー、NBCユニバーサルのドナ・ラングレーは、WGAとの交渉における最後の追い込みで個人的に参加。その介入により、9月24日に映画テレビプロデューサー同盟(AMPTP)とWGAが暫定合意に達した。

その結果、WGAはAIからの保護やTV番組の再放送使用料、賃金や報酬で大幅な利益を上げると見られ、WGAの契約の価値は3年間でおよそ7億ドル(約1050億円)になると見積もられている。この数字についてWBDのザスラフは、「WGAが求める条件などについてはすべてが正しい」と認めつつも、「では、払い過ぎだとしたらどうなるでしょうか?」とコメントし、WGAにとって良すぎる条件で契約を結んだことを仄めかした。しかし、そう疑問を投げつつも、「最高の人材や素晴らしい資産のためならお金を払い過ぎたことを後悔したことは一度もありません」とも述べ、ストライキの結果を支援する言葉を発していた。

なお最近、WBDは税金減額のため、完成していたアニメ映画『Coyote vs Acme(原題)』の公開をキャンセルした。この動きが、「WGAに払い過ぎた」との発言と関係しているのかどうかは不明だ。

おそらく今後もストライキの影響で、制作が一旦は決定していながらもキャンセルとなる作品などが登場するだろう。そういった情報に注視しておきたい。(海外ドラマNAVI)

参考元:米Deadline①米Entertainment Weekly米Deadline②

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Photo:『グラマラス』COURTESY OF NETFLIX