マーベル映画『アイアンマン』シリーズ1作目のローディ役(2作目以降はドン・チードルに交代)や人気ドラマ『Empire 成功の代償』のルシウス・ライオン役で知られるテレンス・ハワードが、俳優業から引退する意向を語るとともに、その理由を説明している。米E!Onlineが報じた。
「自分のモノマネ」はやりたくない
1995年の『陽のあたる教室』で長編映画デビューを飾ったテレンスは、2004年の『Ray/レイ』や『クラッシュ』での演技が高い評価を受け、2005年の『ハッスル&フロウ』でアカデミー賞主演男優賞にノミネート。その後も映画やドラマで活躍してきたが、今から数年前にも俳優業から身を引く考えを示していた。そして53歳になった現在、あらためて引退する意向を示している。
今月上旬、テレンスは1999年のラブコメ映画『ベストマン』の続編となるリミテッドシリーズ『The Best Man: The Final Chapters(原題)』のプレミア上映会で、米Entertainment Tonightのレポーターから「本当に引退するつもりか?」と聞かれた際に以下のように答えた。
「ああ、これが最後だよ。ほかの人たちにとっても終わりなのかどうかはわからないけどね。僕は2年前に一応引退したんだ。10年前シドニー・ポワチエに、これからも仕事をしたいかを尋ねたら、彼は“なぜ自分のモノマネをして最後の10年間を過ごさなければならない?”と言っていた。僕自身も彼が言っていた地点にたどり着いたんだよ。役者として最高のものを提供してきたという地点にね。今はほかの新たな才能を見るのが楽しくて、自分のモノマネはしたくない。僕が一度もできなかったことをやってのけるような優れた俳優が何人もいる。そんな彼らに拍手を送りたいし、彼らがやることにワクワクしたいんだ」
彼はさらに、「ブレイクを果たした『ベストマン』に出演していた30歳前後の自分ともし話せるなら、どんなことを伝えるか?」と問われて、以下のように続けている。
「落ち着け、と伝えるだろうね。自分が望むほど早く物事は動かないし、そもそも思い通りになるとも限らない。彼らの考えを変えることはできないんだから、自分のレーンから逸れず、みんなのために事態を良くしようと努力するのは止めておけってね。僕はこれまで多くのエネルギーを費やして、時には自分は傷ついてでも、ほかの人のために扉を開けておこうとした。でも、その人たちは自分がドアを通り抜けた途端に閉めてしまうような人たちだった。だから、自分のことに集中して、自分の高潔さを守らなければならない。誰かが自分の名誉を傷つけようとしたら、持てるものすべてをもってそれに立ち向かうんだ。それが若い頃の自分に伝えたいことだね」
テレンスは2019年、『Empire』が終了したタイミングで引退する意向を表明したが、その後いくつかの興味深いプロジェクトに出会ったとして俳優業を続けていた。中でも今回の『The Best Man: The Final Chapters』は彼がブレイクした映画の続編なので恩返しという意味もあって出演したのだろうが、前述のコメントの通りにこれをもって引退するかもしれない。そうなると、タラジ・P・ヘンソン演じるルシウスの元妻クッキーを主役にした『Empire』のスピンオフが計画されていたが、ルシウス不在なら実現しない可能性は高そうだ。
『Empire 成功の代償』はDisney+(ディズニープラス)で配信中。(海外ドラマNAVI)
参考元:米E!Online
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Photo:テレンス・ハワード(『Empire 成功の代償』)©2017 Fox and its related entities. All rights reserved.