ドラマの隆盛を受け、主に映画でしか目にすることのなかった役者をTVやストリーミング作品で見かける機会が増えている。銀幕で鍛えられたリッチな演技を楽しめることはもちろん、毎週の放送を追いかけるうちにスターに愛着が湧くのも嬉しい。2018年にドラマ出演した主な俳優と、今後の出演予想を見てみよう。
■2018年ドラマ界を賑わせた映画スターたち
『マスク』『トゥルーマン・ショー』で知られるジム・キャリーは今年、米Showtimeの『Kidding(原題)』で笑いと切なさ溢れる世界を作り上げた。私生活の悲劇で性格が歪んでゆくが、カメラの前では笑顔を崩すことのできない子ども番組の司会者を好演。2度のゴールデン・グローブ賞を受賞した俳優の実力が光った。
『ラ・ラ・ランド』でオスカーを獲得したエマ・ストーンは、Netflixの『マニアック』に出演。治験に臨む二人の被験者が、心の病から解放されるどころか徐々に悪化してしまうというダーク・コメディだ。魅力的な画作りとストーリーに加え、彼女の素晴らしい演技が作品の完成度を押し上げている。
『SHERLOCK/シャーロック』で知名度を上げたベネディクト・カンバーバッチは、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』など映画界でも活躍しつつ、今年は『パトリック・メルローズ』で話題をさらった。製作総指揮も務めながら、怠惰な日々に溺れる大富豪の青年役を伸び伸びと演じ、現地時間2019年1月6日(日)に行われるゴールデン・グローブ賞にもノミネートされている。
ジュリア・ロバーツは、米Amazonの『Homecoming(原題)』に出演。傷付いた兵士たちの社会復帰を促す、謎の秘密政府機関が舞台となる作品。ジュリアは主役として、そこで働く相談員を演じている。アカデミー賞受賞歴のある彼女は、初のドラマレギュラーとなった本作でも、天性の演技力を遺憾なく発揮している。
他に、ジョン・マルコヴィッチが『ビリオンズ』シーズン3に出演したり、エイミー・アダムスが主演を務めた『KIZU-傷-』、ペネロペ・クルスは『アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺』に登場するなど、銀幕スターのドラマ出演が相次いだ一年となった。
■2019年ドラマデビューに打ってつけの人物は?
映画俳優のドラマ出演は、今後もますます盛んになりそうだ。2019年はどんなスターの顔見えで驚かせてくれるだろうか? 日本でも名の通った役者を含め、米IndieWireは見込みのある役者を複数ピックアップしている。
作品の充実したこの時代は、まさにニコラス・ケイジ(『ゴーストライダー』)の出演に相応しいと、同誌は彼の出演を熱望。ニコラスは近年、内容のかなり尖った作品にも出演し、正気を失ったキャラクターが板についてきている。個性的な製作者と組めば、良いコメディ・ドラマが完成する可能性は十分だと伝えている。
IndieWireは続けて、映画『ボーン』シリーズのマット・デイモンも、ぜひお目にかかりたい役者の一人と述べている。ドラマ出演とは行かずとも、まずはバラエティ番組の司会などでTVでの露出を上げていけるのでは、と提案。歌やコントなどを通じてゲストとの交流を楽しむマットの姿は、確かに視聴者を魅了するに違いない。
『ハンガー・ゲーム』『X-MEN』シリーズのジェニファー・ローレンスも、ドラマ界への本格デビューが待ち望まれる一人だという。2018年公開の映画作品は『レッド・スパロー』の一本のみ。トークショーなどへの出演を通じて魅力が伝われば、と願う同誌。さらにロマンティック・コメディなどで、愛すべきおてんば娘といった役柄もぴったりだと述べている。
2時間で完結する映画とは違い、シーズンを通じて役者とじっくり向き合えるのがドラマの良いところ。スターたちをより身近に感じさせてくれるドラマへの出演が来年も楽しみだ。
(海外ドラマNAVI)
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『マニアック』(c)Netflix
『パトリック・メルローズ』(c)Sky UK Ltd
『KIZU-傷-』(C)2018 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO(R) and related channels and service marks are the property of Home Box Office, Inc.
『アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺』(C)2018 Fox and its related entities. All rights reserved.