2019年も半分が過ぎ、各メディアが選ぶベストドラマの発表シーズンが今年もやって来た。今回は、米USA Today紙がコメディとドキュメンタリー番組を中心に選出した、上半期のベスト10作品をご紹介しよう。
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ランキングは以下の通り。日本でもストリーミングなどで視聴可能なものはその旨を末尾に追記した。ベスト10のうち実に5作品が日本で現在配信中、また1作品は放送済となっており、今後放送予定の作品も1作あるなど、海外ドラマの視聴環境は日増しに充実してきている。聞き覚えのある作品、あるいはすでに視聴済みの作品はリストに挙がっているだろうか。
1位:『Fleabag フリーバッグ』シーズン2(米Amazon Prime Video/日本でもAmazon Prime Videoで配信中)
2位:『ネバーランドにさよならを』(米HBO/日本ではNetflixで配信中)
3位: 『デッド・トゥ・ミー~さようならの裏に~』シーズン1(米Netflix/日本でもNetflixで配信中)
4位:『チェルノブイリ』(米HBO/日本ではスターチャンネルで今秋放送予定)
5位: 『What We Do in the Shadows(原題)』シーズン1(米FX)
6位:『キリング・イヴ/Killing Eve』シーズン2(米BBC America/日本ではシーズン1がWOWOWで放送済)
7位:『Superstore(原題)』シーズン4(米NBC)
8位:『Shrill(原題)』(米Hulu)
9位: 『The Good Fight/ザ・グッド・ファイト』シーズン3(米CBS All Access/日本ではAmazon Prime Videoで配信中)
10位:『ボクらを見る目』(米Netflix/日本でもNetflixで配信中)
コメディドラマの根強い人気
ランクインした作品のうち半数がコメディドラマであり、相変わらずジャンルの強さを感じさせる。
堂々1位に輝いた『Fleabag』は、激しい怒りと強めの性欲がいつも問題を引き起こす、現代のロンドンを生きる一人の女性の物語。大統領にさえ欲情する主人公フリーバッグと、性の展覧会を開く代母、そして恋人をめぐりフリーバッグにライバル心を燃やす姉など、インパクト絶大なキャラクターたちが激突。幸せをつかもうともがくほどに、シニカルな笑いを誘う。
3位の『デッド・トゥ・ミー~さようならの裏に~』は、交通事故で夫を亡くしたキャリアウーマン、ジェンの物語。似た境遇にあるジュディと出会ったことで心を開くようになるが、ジュディにはとんでもない秘密が...。まるでサスペンスのようなシチュエーションから陽気な笑いが飛び出す、不思議な雰囲気の作品だ。
そのほかにもコメディの名作がランクインしている。5位の『What We Do in the Shadows』では、生きづらい現代社会で吸血鬼たちが身を寄せ合ってシェアハウス暮らしをする。7位の『Superstore』では、どこにでもありそうなスーパーの社員たちに奇想天外の騒動が降りかかる。8位の『Shrill』は、ぽっちゃり女子がジャーナリストを目指すストーリー。体型なんて気にしちゃダメ、と力強いメッセージを放つ。
コメディ作品は30分フォーマットのシリーズも多く、『Fleabag』と『デッド・トゥ・ミー』も例外ではない。その気になれば電車での通勤や通学中に、スマホで一話丸々視聴できてしまうのも嬉しいメリットだ。
胸に迫るドキュメンタリーの魅力
コメディに次いで目立ったのは、現実の事件を追うドキュメンタリー作品。2位の『ネバーランドにさよならを』は、マイケル・ジャクソンによる児童虐待を告発する衝撃ドキュメンタリー。わずか2話の放送ながら、アメリカでの放送終了後に賛否両論を巻き起こした。二人の男性が、少年時代に受けたという性的被害を告白する内容。静かだが毅然とした語り口が、エンドロールの後も長く心に残る、とUSA Today紙は述べている。
4位の『チェルノブイリ』は、世界的に有名な事故を現場の視点で描写。停電でパニックに陥る現場の職員たちと、被ばくの危険をまったく知らされずに現地に送り込まれた消防士たちなど、状況を克明に再現する。決死の作業員たちに対し、保身に走る政府関係者たちの対応がなんとも歯がゆい。
10位の『ボクらを見る目』は、暴行事件の容疑をかけられた5人の少年を扱った作品。実話に基づくやるせない展開と、関係者とのその後の心の交流が涙を誘う全4話のシリーズだ。
刺激を求めるならこの2本!
残り2作品は、いずれもサスペンスからの入選となった。シーズン1から話題沸騰の6位『キリング・イヴ/Killing Eve』は、二人の女性同士の命の駆け引きに息を呑む作品。精神疾患を抱える暗殺者・ヴィネラルを追っていたMI6捜査官のイヴだが、やがて危険な駆け引きに巻き込まれる。憎み合っているはずの二人の間には、やがて不思議な感情が芽生えて...。
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9位の『The Good Fight/ザ・グッド・ファイト』は、著名法廷ドラマ『グッド・ワイフ』のスピンオフ。外伝ながらすでにシーズン4更新が決定と、本家にも劣らない人気を誇る法廷スリラーだ。
ランキングをまとめたUSA Today紙は、すでに下半期の視聴にも困らないほど多くのドラマが放送されている、と嬉しい悲鳴を上げている。同メディア厳選の10本から、次のイッキ見作品は見つかっただろうか?(海外ドラマNAVI)
Photo:
Amazonオリジナルシリーズ『Fleabag フリーバッグ』
『デッド・トゥ・ミー〜さようならの裏に〜』© Saeed Adyani / Netflix
『チェルノブイリ』© 2019 Home Box Office, Inc. All Rights Reserved.
Netflix『Leaving Neverland』
『ボクらを見る目』© Atsushi Nishijima/Netflix
『キリング・イヴ/Killing Eve』© Gareth Gatrell/BBCAmerica
『The Good Fight/ザ・グッド・ファイト』
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