現地時間9月19日(日)にロサンゼルスで開催された第73回エミー賞授賞式では、作品賞を含む7部門を受賞したApple TV+のコメディドラマ『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』をはじめ、賞レース常連の『ザ・クラウン』や『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』など以外でも、サプライズ受賞を果たした作品や俳優が話題となった。米Deadlineが伝えている。
まず、リミテッドシリーズ/テレビムービー部門主演男優賞では、『ハミルトン』のリン=マニュエル・ミランダや『フレイザー家の秘密』のヒュー・グラントらが有力と見られていたが、実在のファッションデザイナー、ロイ・ホルストン・フローウィックの半生を描いたNetflixの『HALSTON/ホルストン』に主演したユアン・マクレガーが予想に反して栄誉に輝いた。
また、ドラマシリーズ部門助演男優賞では、9月6日に54歳で急逝し、『ラヴクラフトカントリー 恐怖の旅路』でノミネートされていたマイケル・ケネス・ウィリアムズが大本命との声が高かったが、『ザ・クラウン』でエディンバラ公フィリップ殿下を演じたトビアス・メンジーズが受賞。トビアスは授賞式を欠席していたため、プレゼンターのケリー・ワシントン(『スキャンダル 託された秘密』)が代わりにトロフィーを受け取り、トビアスの受賞を称えると共に、故マイケル・ケネス・ウィリアムズに追悼の意を表した。
そして、コメディシリーズ部門で、新作コメディシリーズとして『Glee/グリー』に並ぶ史上最多ノミネートとなった『テッド・ラッソ』の独占受賞を阻止したのが、米HBO Maxの『Hacks(原題)』でジーン・スマートが主演女優賞を獲得する他、監督賞・脚本賞に輝いた。
対して、数多くの部門でノミネートされていながら結果が伴わなかったシリーズが、『ザ・クラウン』と最多24ノミネートとなっていたDisney+(ディズニープラス)の『マンダロリアン』と、23ノミネートされていた『ワンダビジョン』だ。両シリーズともにクリエイティブ・アーツ・エミー賞では健闘していたが、本授賞式では振るわなかった。
ここ近年、米HBOの大河ファンタジードラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』やDCドラマ『ウォッチメン』が主要部門に輝いていたことを考えると、今年はそれらのジャンルショーの勢いは弱かったと言えそうだ。
なお、第73回エミー賞授賞式の模様はU-NEXTにて見逃し配信中。(海外ドラマNAVI)
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© Television Academy./『HALSTON/ホルストン』