『ハンドメイズ・テイル』シーズン4 ジューンは本当に自由?リディア役アン・ダウドが考えを明かす

Huluプレミア『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』の配信と同時に、キャストやファンをゲストに迎えて同作の考察を行うトークショー『One Burning Question/どうしても聞いておきたい質問』。シーズン4に合わせて、同番組 もHuluにて配信中だ。(※本記事はシーズン4第6話までのネタバレを含みますのでご注意ください)

第6話のゲストは、第4回同様リディアおば役のアン・ダウド(『オリーヴ・キタリッジ』)と本作の大ファンだという女優のウィットニー・カミングス(『NYボンビー・ガ―ル』)。

今回は、ジューンは本当に"自由"といえるのかというテーマに沿って話が繰り広げられた。様々なとらえ方ができるこの問いにウィットニーは絶対にそうではないと「ロボトミー手術を受けて過去を忘れない限りね」と冗談を交えながら答え、会場をにこやかな雰囲気に。"トラウマの先に幸せな結末は待っていない"と本作なら示すと厳しい考えを続けると、アンも同意。「あれほど深い心の傷を負うと自由にはなれない。しかも娘がまだギレアドにいるから余計に無理よね」と、"No"とばっさり。またウィットニーは「娘を助けたら今度は復讐に燃え始めるはず」と推測し、本当の意味で自由にはなれないとの見解を示した。

そして、第6話ではついにモイラと再会を果たしたジューンだったが、司会のステイシーは、目の前にいる親友を認識できなかったという強烈なシーンを振り返る。「待ちに待った展開なのになんだか怖く思えた」と印象を抱いたことを告白。そんなジューンについて、アンは体と心が完全にショック状態に陥っていたと考察し、「だから目の前の現実を幻覚だと思い込んだ」と理解を示した。ウィットニーも最初は心を病んでいると思ったと明かし、「でも本当はハンナ以外を認識できないだけ。子どもを探す母グマのような本能が働いているの。爆撃で死にかけたジューンはハンナ以外はどうでもよくなってる」と考察。

さらに話はジューンが船を降りるのを躊躇したシーンに移ると、ウィットニーは演じるエリザベスを絶賛。「地面に降り立つ動きだけで様々な感情を伝えられる」と、靴ひとつで多くを語ることのできる演技力を褒め称えた。カナダに入国した際の心情については、死ぬ覚悟ができていたのではないかと続けると、「死を免れるたびにこう思ってたはず。"娘を取り戻すために生かされた"。だから今は生きている意味がない」アンもその考えに同意し、「でも一時だけよ。彼女は分かってる。目の前の現実が全てではないとね。カナダへの入国が意味するのは反乱の終わりでもあり正義の始まりでもあると思う。ここで終われないと分かっている」と娘を守るための戦いは続くと示唆した。

最後に、どうすればジューンはギレアドを忘れられるのかという問いに。一生忘れることはできないと答えたウィットニーは「このドラマは今までの悲劇を過去の話にしてはくれない。私たちにトラウマを直視させそれが人の心に永遠に傷痕を残すのだと示す」とジューンはこれからも仲間を売った罪の意識と共に生きていくとの考えを明かした。一方のアンは、トラウマを消せなくても前に進むことはできる、普通の生活にはもう戻れないとしても、ジューンには頼れる夫がいるし希望はあると思っていると語り、「ジューン自身がこう信じ込むことも大切ね。"確かに私は日常生活から切り離され、ギレアドで恐怖を味わった。でも慎重に少しずつ自分の中の喜びや愛、そして安らぎを取り戻せる。それらは決して誰も奪うことができない"」と続けた。

今後の展開についてウィットニーは「楽しみなのは父親違いの娘とどう向き合っていくか。ルークが大丈夫ならニックも呼んで共同生活でもするのかな」と想像すると、アンは笑いながら「それは無理よ、可能性はゼロ(笑)私は古い人間だからルークの立場だったらニックを毒殺する(笑)でも共同生活もいいシナリオよ」と最後まで良い雰囲気で番組を終えた。

様々な捉え方ができる今回のテーマ「自由」。アンとウィットニーの考えを聞き、より本作の核心に迫ってみてはいかかだろうか。『One Burning Question/どうしても聞いておきたい質問』の該当エピソードはHuluにて独占配信中。(海外ドラマNAVI)

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『One Burning Question/どうしても聞いておきたい質問』第6話より
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