90年代後半、世界中で大ヒットを記録し社会現象を巻き起こした法廷コメディドラマ『アリー・myラブ』。等身大の働く女性像を描き、日本でも絶大な人気を誇った本作について、主演を務めたキャリスタ・フロックハートと、劇中歌・主題歌を手掛けたヴォンダ・シェパードが当時を振り返った。
-

『アリー・myラブ』20周年記念!スタッフやキャストが裏話を語る
1997年に放送がスタートし、世界中で"アリー現象"を引き起こしたラブコメディ『アリー・myラブ』(以下『アリー』)。エリート弁護士なのに、恋愛と結婚に悩むアリー(キャリスタ・フロックハート) を中心に、ウィットに富んだ会話とセンスの良い音楽を交えつつ、等身大の現代女性の内面をリアルに、そしてコミカルに描きあげ、世の女…
「人生のすべてがアリーだった」ヒット作の影にあった葛藤
ニューヨークで舞台に出演していたキャリスタのもとに届いたのが、『アリー・myラブ』のクリエイター、デイヴィッド・E・ケリーが手掛けた脚本だった。ロサンゼルスへ飛びスクリーンテストを受けたキャリスタは、その場で主役の座を射止める。
「ロサンゼルスでの生活には不慣れで、高速道路を運転するのが怖くて1年間は乗れなかったほどでした。アリーを演じるのは刺激的で挑戦的でしたが、同時にとても圧倒される経験でもありました」とキャリスタは振り返る。
7月に撮影が始まり、9月に放送がスタート。その直後から作品は爆発的なヒットを記録する。
「デイヴィッドは天才です。彼の想像力には限界がありません。最初はダンシング・ベビーを見てなんて奇妙なの!と理解できませんでした(笑)でも、生物学的時計が刻々と時を刻むアリーが、気味の悪い踊る赤ん坊の幻影に憑りつかれるという描写は、実に鮮やかで素晴らしい発想でした。私は本来シャイな性格なのですが、アリーの内心を表現するために、恥ずかしさを捨てて狂ったように踊らなければなりませんでした」
劇中では、ミュージシャンのアル・グリーンと共演して街中で踊る幻想的なシーンや、感情を全開にする演技が連日続いた。5シーズンにわたって走り抜けた当時を、キャリスタはこう語る。
「一日の撮影が終わる頃には、感情がすり減ってボロボロになっていました。5年間の私のアイデンティティは、完全に『アリー・myラブ』と一体化していたのです。シリーズが終わったとき、自分の人生の一部を終えたような寂しさがありましたが、キャストたちとの強い絆は今も変わっていません。街でファンから『あなたのおかげで弁護士になりました』と言われることもありますが、私はそれはデイヴィッドのおかげですよと答えています。私はただ現場に行ってセリフを言っただけですから」
30人のライブハウスから5,000人のステージへ――人生を変えた主題歌
一方、番組の象徴的な音楽を担当したヴォンダ・シェパードにとっても、本作は人生を劇的に変える作品となった。当時、レーベルとの契約を失い、雨の中でキーボードを運びながら小さなクラブで演奏活動を続けていたヴォンダ。転機となったのは、18歳からの友人であるミシェル・ファイファーと、彼女の夫であるケリーがライブに訪れたことだった。
約1週間後、ケリーから直接電話が入る。彼が書いていたドラマのキャラクター像と、ヴォンダのアルバム「It’s Good, Eve」の楽曲が奇跡的にシンクロしていたのだ。主題歌には当初、エキサイターズの「Tell Him」のカバーが提案されていたが、ヴォンダ側は自身の楽曲を使うことを熱望。5曲を提示した結果、代表曲「Searchin’ My Soul」が選ばれることとなった。
「この曲を1分間に縮められるなら、主題歌にしようと言われ、テンポを上げて提出したところ、チーム全員が気に入ってくれました。一夜にして、30人の前で歌っていた私が5,000人の前で演奏するようになったのです。ゴールデン・グローブ賞やエミー賞も受賞し、人生が一変しました」
5年間の放送期間中、ヴォンダは500曲以上の楽曲のプロデュースを手掛けた。アル・グリーンとのスタジオレコーディングでは、長年憧れていた彼の生の歌声と笑い声に耳を疑い、「ついにここまで来た」と実感したという。
『アリー・myラブ』シーズン1~5はDisney+(ディズニープラス)で配信中。(海外ドラマNAVI)





