『アリー・myラブ』20周年記念!スタッフやキャストが裏話を語る

1997年に放送がスタートし、世界中で"アリー現象"を引き起こしたラブコメディ『アリー・myラブ』(以下『アリー』)。エリート弁護士なのに、恋愛と結婚に悩むアリー(キャリスタ・フロックハート) を中心に、ウィットに富んだ会話とセンスの良い音楽を交えつつ、等身大の現代女性の内面をリアルに、そしてコミカルに描きあげ、世の女性の心をがっちり掴んだ大ヒット作だ。

同作は元々、脚本家のデイビッド・E・ケリーによってアメリカで一番競争の激しい新番組スタート時期である、秋のプレミアに向けて作られた作品であった。しかし、これに対して周囲は反対。次年の1998年の春の新番組としてスタートするようにケリーを説得するも、彼は秋の放送にこだわり続けた。

ケリーの読みは当たり、1997年9月8日(月)の初回放送後、同作は瞬く間に大ヒット。平均1300万人視聴という数字を叩き出し、コメディシリーズでありながらもゴールデン・グローブ賞やエミー賞など数々の受賞を成し遂げた。男女共同トイレや、ダンシング・ベイビー、フェミニズム、ミュージカルを取り入れたエピソードは、現在のTVドラマにも影響を与える重要な財産になったと言っても過言ではない。今回は、そんな同作の裏話を、キャストやクリエイターなど、同作の関係者に大いに語ってもらった。

■デイビッド・E・ケリー(製作総指揮)

デイビッド・E・ケリー

「キャリスタを見た途端、アリーだと思ったのです。ただ問題は、彼女はキャスティングの最後のほうで現れたということでした。その時点ですでに、残り数名にまで絞っていて、その中にはララ・フリン・ボイル(『ザ・プラクティス/ボストン弁護士ファイル』)もいました。ララも素晴らしかったのですが、キャスティング・ディレクターのジュディス・ワイナーが、"あともう一人います。今、ブロードウェイで『The Bird Cage(原題)』に出演している女優なのですが、台本読んでオーディションを受けるというので飛行機に乗っています"と言ってきました。そしてキャリスタが現れたのです。彼女の発する一言一言がすべてアリーで、それはもう完璧でした」

■キャリスタ・フロックハート(アリー・マクビール役)

アリー・マクビール

「両親が、私の舞台を見にニューヨークに来ていたの。でも、急に『アリー』のオーディションでロサンゼルスに呼ばれたから、私のニューヨークのアパートで犬の世話をして留守番をしてもらうことになったのよ。父は荷造りも手伝ってくれたわ。その時、アンテイラーの緑のスーツのほかに、ジーンズとスニーカーしかなくて。私はスーツなんて着なくていいって言ったのに、父が"カリフォルニアでは役になりきる格好でオーディションをするかもしれない"と言うから、そのスーツを着て行ったのよ。スーツの下は、タンクトップのピチピチシャツだけでね」

■ジェーン・クラコウスキー(エレイン・ヴァッセル役)

「実は、キャリスタと同じ飛行機でオーディションに行ったのよ。私たち、エージェントも同じだし知り合いだったの。それで機内でこう冗談言ったのよ。"どちらか一人が、帰りはファーストクラスかもね"って。でも私はキャリスタが絶対役を得ると思っていたから、彼女に"帰りはファーストクラスからチョコレートチップを持ってエコノミー席の私のところまで来てよ"って言ったのよ。でも結局、私たちは二人でファーストクラスに乗って帰ったの!」

■ギル・ベローズ(ビリー・アラン・トーマス役)

Thank you all for the birthday wishes! Special thanks to @alietteopheim and @kathleenmunroe for last night's dinner. Much love

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「妻のリヤ・キールステッドはシカゴで仕事をしていたんだが、アリー役でオーディションを受けないかと言われたんだよ。それで、彼女の手伝いでビリーのパートを読んで彼女と練習していたんだが、"君はちょっとアリー役に合わないんじゃないかな"って話したんだ。彼女、怒っていたよ。でも、皮肉なことに私がビリー役になって、お互いこの結果には感謝しているんだ」

■グレッグ・ジャーマン(リチャード・フィッシュ役)

リチャード・フィッシュ

「私は当時FOXのシットコム『Ned and Stacy(原題)』に出演していたんだ。シーズン3に更新しないことは分かっていたから、ケリーに会ってオーディションを受けたんだ。リチャードのユーモアにすごく共感できてね。でも、まさか自分が役をもらえるなんて思っていなかったよ。公衆電話で、エージェントが"決まったよ!"と言ってくれたのを今でも覚えているよ」

■リサ・ニコル・カーソン(レネ・ラディック役)

「映画に挑戦しようかと思っていた時、『アリー』のプロデューサーたちが、私に会いたいって言ってくれたの。映画のほうを取ろうと思っていたわ。でも、ケリーについてちょっとリサーチしたら、気が変わったのよ。それに映画の役は結局もらえなかったしね」

■ピーター・マクニコル(ジョン・ケイジ役)

「ジョン・ケイジの役は、ゲスト出演ということでオファーされたんだ。だから私は第2話目からしか出演してないよね。最初に共演者と一緒に撮影したのは、売春婦との出来事で、弁護士事務所の全員に謝るシーンだったよ。ジョンと同じくらい、私自身も恥ずかしかったよ。だけど、古くからの友人だったグレッグと仲良くできるきっかけにもなった。彼の名字のスペルもかけるくらいに仲良くね(笑)」

■ルーシー・リュー(リン・ウー役)

リン・ウー「実は、ネル・ポーターの役でオーディションをしたの。でもケリーが私のことを気に入ってくれて。彼は、気に入ったらそのために役を作ってくれるのよ。そして、私はリンの役で8話出演ってことになったの。でも結局、全話に出演したわ」

■コートニー・ソーン=スミス(ジョージア・トーマス役)

「私は、『メルローズ・プレイス』をずっと5年間やっていて疲れていたの。だから休憩したくて、マリブのビーチハウスを借りていたんだけど、電話がかかって。絶対忘れない思い出ね。エージェントが"『アリー・myラブ』っていう新番組があって、君をキャスティングしたいんだって。休みたいのは知っているけれど、ノーの返事はないからね" ですって。せっかくのビーチハウスの賃貸料が!と思ったわ」

このほか、当初コートニーが演じたジョージアの役は、『ブレイキング・バッド』のスカイラーことアンナ・ガンが演じる予定だったという驚くべき裏話も明らかになった。キャリスタを筆頭に、同作で一躍トップスターとなったキャストやそのクリエイターたちは、20年経った今でも色褪せることなく当時のことを鮮明に覚えているようだ。

naco-do スマリッジ

Photo:デイビッド・E・ケリー (C)NYPW/FAMOUS 『アリー・myラブ』 (C) 1999 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved. 『アリー・myラブ』シーズン3 (C)2001-2002 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved. 『アリー・myラブ』シーズン4 (C)2001-2002 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.