米CBSにて今秋からシーズン24という驚異的な大記録へ突入する、ロングラン大ヒット犯罪捜査ドラマ『NCIS 〜ネイビー犯罪捜査班』。これだけ長く続いている作品だけに、長年にわたりかなりのキャスト交代劇があったことは驚きではない。しかし、ファンから絶大な人気を誇ったキャラクターの後任を見つけるのは、決して容易なことではなかった。
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大ヒット作『NCIS』が直面した「アビー降板」という最大の試練
その当時の苦労について、製作総指揮であり脚本家のスコット・ウィリアムズが語った。舞台となったのは、番組の現役スターであるブライアン・ディーツェン(ジミー・パーマー博士役)とディオナ・リーズノーヴァー(ケイシー・ハインズ役)がホストを務める最新のポッドキャスト番組『NCIS: Partners & Probies(原題)』だ。ディオナは、ウィリアムズがシーズン15の第21話の脚本を書いたことで、自身の演じるキャラクターを「生み出してくれた」のだと言及。ちなみにこのエピソードとは、ディオナと、彼女が最終的に科学捜査分析官として引き継ぐことになるアビー・シュート(ポーリー・ペレット)の二人が同時に登場した唯一の回でもある(ポーリーの最終出演回は同シーズンの第22話)。
「私たちはポーリー・ペレットの降板という、避けては通れない現実に直面していました」と当時を振り返る。
「彼女は旅立つ心の準備ができていて、お別れを告げる段階にありました。そこで私たちは、“OK、アビーと同じくらい愛らしくて、素晴らしくて、そういった魅力を持った後任をどうやって見つければいいんだ?”と考え込んだのです。というのも、過去に主要キャラクターを入れ替えた際、ファンの皆さんに初期段階でなかなか受け入れてもらえなかった苦い経験があったからです。ましてや当時の番組において、アビー以上にファンに愛されているキャラクターはいませんでしたからね」
そこで制作陣が思いついたのが、ベテラン検視官ダッキー(デヴィッド・マッカラム)との繋がりを持たせるアイデアだった。
「ダッキーと以前から関係があり、彼の回顧録の執筆をサポートする助手として働く人物を登場させよう、と考えたんです。これは完璧な設定でした」
ウィリアムズはディオナに向き直り、「君とデヴィッドのコンビは最高だったよ」と称賛した上で、新キャラクター導入における見事な戦略をこう続けた。
「さらに、その新キャラクター自身もアビーのようになりたいと憧れていて、アビーの大ファンであり、アビーからも少しの間だけ手ほどきを受けるという設定にしました。これによって、ファンが『あぁ、彼女は良い子だね、私たちと同じアビーのファンなんだ』と親近感を持ってくれて、登場時の衝撃を和らげることができたのだと思います。脚本を書いていて本当に楽しかったし、それが君で本当に良かったよ」
ピンチをチャンスに変えた制作陣の鮮やかな手腕により、ケイシーは見事にチームに溶け込んだ。ディオナは、秋から始まるシーズン24でも引き続きチームの科学捜査分析官としてレギュラー出演を続ける。
「K.C.」から「ケイシー」へ!役名の裏に隠された意外なシステム問題
またポッドキャストのなかで、ディオナは自身の役名が途中で変更されていたという裏話も明かした。彼女が最初に受け取った台本では、キャラクターの名前は「K.C.」となっていた。ウィリアムズの解説によると、当時のショーランナーであったフランク・カルデアとジョージ・シェンクはその名前を希望していたそうだ。しかし、ウィリアムズはある「実務的な問題」に気づき、異を唱えることになる。
原因は、脚本執筆ソフトの業界標準であるFinal Draftの仕様だった。文字の間にピリオドを入力すると、自動的にダブルスペースが挿入され、次の単語の頭文字が勝手に大文字になってしまうため、ウィリアムズは「執筆作業が地獄になる」と指摘したのだ。
そこで彼が新たに考案したのが、友人の妻の名前にちなんだ「ケイシー」という響きだった。そして名字の「ハインズ」は、彼がかつて目にした、若き日のグレゴリー・ハインズとその家族による歌とダンスのパフォーマンスから名付けられたという。名作の裏には、ファンの心理に寄り添う緻密な脚本マジックと、執筆現場のリアルな死活問題が隠されていたようだ。
『NCIS 〜ネイビー犯罪捜査班』シーズン1〜21はHuluで配信中。(海外ドラマNAVI)








