英人気ドラマ『ドクター・フー』の10代目・14代目ドクターや『グッド・オーメンズ』のクロウリー役などで人気のデヴィッド・テナントが主演を務めた犯罪捜査ドラマ『ブロードチャーチ 〜殺意の町〜』は高い評価を受けているシリーズ。そのシーズン1が他シーズンよりも完璧な理由を、米Screen Rantが論じているので紹介しよう。
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『ブロードチャーチ』が3シーズンで終わった理由とは?クリエイターが語る
デヴィッド・テナント主演の英クライム・サスペンス『ブロードチ …
緊張感、キャラクター描写、物語展開が高い水準で融合
本作は、2010年代の英国犯罪ドラマを代表する作品のひとつで、特にシーズン1は圧倒的な完成度を誇る。中心人物はデヴィッド演じるアレック・ハーディ警部と、オリヴィア・コールマン演じるエリー・ミラー巡査部長で、2013年の初放送後にシーズン1は英国アカデミー賞を3部門で受賞した。
小さな海辺の町を舞台にした物語は、少年ダニー・ラティマーの遺体が崖下のビーチで発見されることから始まる。事件は単なる事故ではなく殺人であることが次第に明らかになり、町の住民たちの生活や人間関係に大きな影響を及ぼす。家族は引き裂かれて友人たちは疑われ、ハーディとミラーは内に抱える恐怖や過去と向き合いながら、事件を追うことになる。
脇役のジョディ・ウィテカーやデヴィッド・ブラッドリーの演技も主役二人に並び、観る者に感情的なインパクトを与える。緊張感、キャラクター描写、計算された物語展開のすべてが高い水準で融合したシーズン1は、まさに傑作と言える。
一方、シーズン2では事件の続きとしてダニーの死の裁判とその余波が描かれ、被告が有罪答弁を撤回したことでダニーの遺族は絶望と苦悩の渦に巻き込まれる。キャストの演技は依然として素晴らしいが、物語は中盤以降、官僚的な手続きや法廷描写に焦点が移るため緊張感が薄れ、作品全体を損なうわけではないが大きな印象は残らない。
シーズン3ではハーディとミラーが新たな事件に挑み、トリッシュ・ウィンターマンという女性が意識を失っている間に性的暴行を受けた事件を担当する。デヴィッドとオリヴィアのコンビも健在だが、物語の奥行きや余韻はシーズン1には及ばず、ラティマー家の要素を無理に絡めた構成も違和感を残した。
さらに、2014年にはシーズン1のアメリカ版リメイク『Gracepoint(原題)』が製作され、デヴィッドが再び主演を務めた。しかし、批評家からは広く「模倣に過ぎない」と称され、オリジナル版の評価には及ばなかった。
それでも、デヴィッドがハーディ役で復帰したことに不思議はない。彼は『ドクター・フー』や『グッド・オーメンズ』でも多彩な演技を見せたが、ハーディ役は感情表現の幅、共感力、観客を引き込む力のすべてを発揮できる役どころだからだ。さらに、オリヴィア演じるミラーとの絶妙なケミストリーも見どころとなっている。二人は真の友人ではないものの、互いを尊重し合い、絶妙な掛け合いと時に激しい議論を通じて支え合うコンビとして描かれる。この関係性が、キャラクターとしても俳優としても互いを高め、シーズン1の魅力を際立たせている。
結果として、本家シーズン1の完成度、登場人物たちの深み、そして緊張感ある物語運びこそが、『ブロードチャーチ 〜殺意の町〜』を不朽の名作たらしめており、シーズン2や3、アメリカ版リメイクでは得られない特別な体験を視聴者に提供している。
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