配信サービスの台頭と競争の激化により、苦戦を強いられている地上波局において、リアルタイム視聴が低迷しても『ザ・ルーキー』が更新され続けるのは、なぜなのだろうか? その理由を、米The Hollywood Reporterが指摘している。
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ストリーミングでの人気で支えられている『ザ・ルーキー』
米ABCで2018年に放送開始された『ザ・ルーキー』は、40代にして心機一転を図り、警官になった主人公ジョン・ノーラン(ネイサン・フィリオン『キャッスル/ミステリー作家のNY事件簿』)の活躍が描かれるポリス・コメディドラマ。
まさに本作は、近年のテレビ視聴スタイルの変化を象徴する作品と言える。リアルタイム視聴の数字だけを見ると決して高いとは言えないが、それでもシーズン8まで継続し、シーズン9への更新も有力視されている理由は、放送後のストリーミング視聴数の伸びにある。
リアルタイム視聴における18〜49歳の視聴者数は約35万〜37万5000人程度で、今シーズンの他の地上波局ドラマと同水準であり、10年前であれば打ち切りを検討されてもおかしくないレベルだ。それにもかかわらずシリーズが長寿化しているのは、放送後に視聴する層の存在が大きい。

ニールセンの調査によると、『ザ・ルーキー』シーズン8は、地上破局のドラマシリーズTOP20で「放送後7日間に最も視聴数を伸ばす作品」となっている。初回オンエア後に視聴者が大きく増える点が、他作品との大きな違いだ。
ストリーミング時代においては、リアルタイム視聴と後追い視聴の差が顕著になっている。特に若年層ではその傾向が強く、2026年2月時点における上位20作品は、18〜49歳の視聴者のうち3分の2以上を放送後に獲得している。20作品中18作品が1週間で視聴率を倍増させ、そのうち11作品は3倍以上に伸びているというデータもある。
その中でも『ザ・ルーキー』の伸びは際立っている。初回放送時の視聴率は0.27だが、7日後には1.97にまで上昇し、7倍以上の増加を記録している。このうちDVR(デジタルビデオレコーダー)による視聴は0.52にとどまり、残りの大半はHuluやDisney+(ディズニープラス)といったストリーミングでの再生によるものだ。さらにシリーズ全体の視聴時間も膨大で、2025年には累計228億分以上が視聴されている。
総視聴者数においても後追い視聴の影響は大きい。上位20作品は平均して約44%の視聴者を放送後に獲得しており、『ザ・ルーキー』も最終的には約919万人に到達し、安定した人気を維持している。
この背景には、テレビ視聴の大きな変化がある。かつては録画(DVR)が後追い視聴の中心だったが、現在ではストリーミングが主流となり、ネットワーク作品にとっても重要な視聴経路となっている。2015〜16年シーズンと比較するとリアルタイム視聴の数字自体は明らかに低下しているものの、視聴者の「見方」が変わったことで、作品の評価基準も変化しているのだ。
つまり『ザ・ルーキー』は、リアルタイム視聴の低迷だけでは測れない作品であり、ストリーミング時代に適応した象徴的な成功例と言えるだろう。
『ザ・ルーキー』はシーズン1~4がHuluにて、シーズン1~7がWOWOWオンデマンドにて配信中。シーズン8は5月28日(木)よりWOWOWにて日本初放送スタート。(海外ドラマNAVI)




