『ウォーキング・デッド』の大きな過ち！物語を台無しにした不必要な退場キャラ3人

どれほど爆発的な人気を誇るTVシリーズであっても、長期化すればどこかで判断を誤る瞬間が訪れる。サバイバル・パニックドラマの金字塔『ウォーキング・デッド』も、その例外ではない。本作の魅力は、誰がいつ命を落としてもおかしくない緊張感にある。しかし、時に制作陣は、越えてはならない一線を越えてしまった。善良なキャラクターに用意されたあまりに無惨な最期は、単なる悲劇を超え、フランチャイズ全体に修復不可能なダメージを与えたのだ。今回は、全11シーズンにわたる物語の中で、特に「物語を台無しにした」と言わざるを得ない3つの退場劇を振り返る。

アンドレア：原作の重要性を無視した早すぎる死

ローリー・ホールデンが演じたアンドレアは、シーズン1から3にかけて目覚ましい成長を遂げた、シリーズ屈指の強き女性であった。しかし、彼女をシーズン3で退場させた決断は、どう考えても失策であったと言わざるを得ない。

万人に好かれたわけではなかったかもしれないが、アンドレアは愛されるキャラクターだった。原作コミックでは非常に重要な物語が用意されており、それがシーズン3であまりにも早く終わってしまった。しかも、ドラマ内の流れとしても、アンドレアの死は意味を成しておらず、総督の計画は、彼女を殺さなくても明かせたはずだった。

結果的にアンドレアは、ミルトンに噛まれた後、自ら命を絶つことを選ぶ。シリーズ序盤でも特につらいシーンの一つであり、原作ではもっと長く生きるはずのキャラクターだっただけに衝撃は大きかった。物語性よりもショック重視で名キャラクターを退場させてしまった印象が強い。

グレン：視聴者離れを加速させた「やりすぎ」の演出

スティーヴン・ユァンが演じたグレンは、数多のキャラクターが登場する本作においても、一際高い人気を誇る良心の象徴であった。彼の成長物語は完璧に近い形で描かれていただけに、あの悲惨な結末を正当化することは困難だ。

シーズン7第1話、グレンはエイブラハムと共にニーガンの手にかかる。だが、この展開は明らかに過剰であった。エイブラハムの死だけでもニーガンの脅威を知らしめるには十分だったはずだが、制作陣はさらなる衝撃を狙い、シリーズ最大の功労者の一人であるグレンまでをも生贄に捧げた。

この判断が「失策」であったことは、数字が如実に物語っている。グレンが死亡したシーズン7第1話は約1700万人が視聴したが、シーズン最終回には約1100万人にまで急落。1シーズン内での下落幅としてはシリーズ史上最大となり、多くのファンがこの一件を機に作品から心を離してしまったのだ。

カール：未来の希望を摘み取った最大の過ち

そして、チャンドラー・リッグス演じるカールの死は、本作が犯した「最大の悲劇」と言えるだろう。カールは単なる子どもではなく、父親であるリックの意志を継ぎ、物語の未来を担うべき唯一無二の存在であった。

シーズン8でウォーカーに噛まれ、命を落としたカール。当時、作品のクオリティにムラが生じていたのは事実だが、だからといって彼を殺す正当な理由はどこにも見当たらない。カールの死は結局、父リックの精神的成長を促すための「舞台装置」として消費されてしまった。

将来の軸に据えるべき理想的なキャラクターを、安易にドラマの道具として扱った代償は大きい。彼の不在によって、シリーズは進むべき道標を失ったかのように見えた。

他にも惜しまれつつ去ったキャラクターは多いが、この三人の死は、長きにわたる『ウォーキング・デッド』の歴史においても、弁解の余地のない致命的な判断ミスであったと言えるだろう。

『ウォーキング・デッド』全11シーズンはDisney+（ディズニープラス）、Netflix、U-NEXTで配信中。（海外ドラマNAVI）

参考元：UndeadWalking.com