今年の秋からシーズン9に突入する大人気パニック・サバイバル・ドラマ『ウォーキング・デッド』。毎エピソードをハラハラ・ドキドキしながら見ているというファンは世界中にいると思うが、特に緊張感のあったのがシーズン3で描かれた総督とアンドレアの関係だろう。
そんな二人を演じたデヴィッド・モリッシーとローリー・ホールデンが「ハリウッド・コレクターズ・コンベンション No.16」のゲストとして来日! 揃って初めての日本となったお二人に、共演した思い出のエピソードや出演契約の裏話、そしてシーズン9で降板予定のアンドリュー・リンカーンについて話を伺った。
――お二人は初来日ですか? 日本の印象はいかがですか?
ローリー:日本に来るのは初めてなんだけど、この国が大好きになったの。戻ってくるのが待ちきれないわ! 次は1カ月は滞在するつもり(笑) この国の文化にとても感銘を受けたわ。みんなとても礼儀正しくて、おしとやかなの。(デヴィッドに向かって)あなたも信じられないと思うわよ。地下鉄の中は清潔で誰も大騒ぎしないの。食べ物も素晴らしいし。今回の滞在は私にとって、ただの"始まり"だわ。だって、今後はもっと長い時間過ごしたいから。
デヴィッド:僕も今回が初来日だよ。実は着いたばかりで、ちょっとしか寝ていないからまだ観光はしてなくてね。でも、街を見ることをとても楽しみにしているよ。
――久々の再会になるのでしょうか?
デヴィッド:こういうコンベンションで会ったりするよ。『ウォーキング・デッド』の素晴らしいところは、今でもコミコンなどでキャストたちと会えることだね。僕たちは絆の固い家族のようで、とても仲が良いんだ。
――今振り返ってみて、これは大変だった、または楽しかったという印象に残っているシーンを教えてください。
ローリー:デヴィッドと一緒だったもので、私のお気に入りを教えるわね。それは、私が死ぬエピソードの一つ前の「逃れられない呪縛」(シーズン3第14話)よ。総督がアンドレアを追っていた話ね。脚本が本当によく出来ていて、うまく考えられていたし、サスペンスに満ちていたわ。
デヴィッド:僕もそのエピソードは大好きだよ。廃墟でアンドレアを追いかけて、僕はシャベルかなにかを持っていたよね?
ローリー:そうよ。あなたは口笛を吹いていたわ。
デヴィッド:そうだった。演じていてとても楽しいエピソードだったよ。スリリングな雰囲気を出すことができたよね。
――あなたが演じた総督は裏と表のある人物として今まで出てきた悪役で一番印象的なのですが、どのようなところに惹かれて役を引き受けたのですか?
デヴィッド:『ウォーキング・デッド』はすでに見ていたし、この番組のファンだったんだ。だから、オファーが来た時はすぐに引き受けたよ。作品に参加する前は、総督という人物について少ししかわかっていなかったけど、彼は変わり者で複雑な人物だと思ったんだ。狂気じみた方向に進んでいったけど、僕は演じていてとても楽しかったよ。
ローリー:総督は魅力ある人物だったわね。多くの人から「なんでアンドレアはあんな人を好きになったの?」と聞かれるけど、彼は夫であり、子どもを愛する父親であり、ウッドベリーを守ろうとしていた。彼の中には、生来の善良さがあったの。ただ、残念なことにその優しさは最後には負けてしまったけど。
――劇中ではあのような悲しい最期を迎えたアンドレアですが、もし彼女として総督に何か言うなら何と言いたいですか?
ローリー:(デヴィッドを見ながら)チャンスがあった時に、殺しておくべきだったわ!!(笑)
デヴィッド:そうだね(笑)
――アンドレアの最期について初めて知った時はどう思いましたか?
ローリー:キャストの誰一人として、『ウォーキング・デッド』で殺されることは嫌だと思うわ。アンドレアのことを知った時は絶望したわ。だって、予想していなかったから...。でも、それは全てストーリーの一部だから。今となっては問題ないわ。前に進むしかないものね。
――本作の場合、脚本を受け取るまで共演者でも知らないようなことがいろいろあると思うのですが、お二人が一番驚いた話は何ですか?
ローリー:もちろん、アンドレアが死ぬってところよ(笑)
デヴィッド:全話が僕らにとってサプライズだったよ。1話を撮るのに8日掛かるんだけど、4日目に次の脚本をもらうんだ。ランチの時間にそれぞれのトレーラーに脚本が置いてあるんだけど、それを手にする時は「死にませんように」って思いながら読むんだ。トレーラーから出てこないでドアが閉まったままの人がいる場合、それはその人がいなくなるってことなんだよ。とても悲しいよね。スタッフがいなくなるのも悲しいけど、仲間の一人が去っていくのは本当に悲しい。でも、そうやって番組は作られていくからね。だから、出演者たちは次に何が起きるかは全くわからないんだよ。まるで人生のようだよね。
――それに関連するかもしれませんが、ローリーさんは8シーズン分の契約を結んでいたと報じられていましたが本当ですか?
ローリー:本当よ。ただ、多くの出演者が契約を結んだシーズン数よりも早くいなくなっているの。
デヴィッド:みんな初めは7~8シーズンの契約をするんだ。
――では、約束したシーズン数はあまり関係がないんですね。
デヴィッド:そうなんだ。アメリカではそのようにドラマが作られるからね。パイロット版にサインをする時に、7シーズン分の契約も同時にするんだ。そのあと、3シーズン後くらいにまた交渉に入ったりもするけどね。
ローリー:私はちょうど(いなくなる頃)に再交渉をしたばかりで、もっと長い期間出演することが決まっていたの。だから、あの結末には本当に驚いたわ。
――デヴィッドさんはどのくらいの期間の契約だったのですか?
デヴィッド:5シーズン分の契約をしていたよと思うよ。でも、5シーズンも出演することはないってわかっていたんだ。2シーズンでも多いかなと思っていたくらいだよ。原作のコミックではすぐに死んでしまうからね。
ローリー:私は真逆だったわ。アンドレアは原作ではもっと長い間生き残っているから、もっと先まで出演すると思っていたわ。
――リック役、アンドリュー・リンカーンの降板が正式に発表されましたが、彼との思い出があれば教えてください。
デヴィッド:みんなアンドリューのことが大好きなんだ。彼は素晴らしいリーダーだよ。
ローリー:最高のリーダーよね。
デヴィッド:『ウォーキング・デッド』が番組としてうまくいっていて、キャストのみんなも情熱を注いでいるのは、アンドリューのおかげなんだ。現場にはいつも彼がいて、とてもやさしくて、みんなのことを考えてくれているからね。
ローリー:文句を言うことなんて絶対ないし、いつも前向きで、楽しくて、エレガントで。彼の悪いところなんて、誰も思いつかないわ。
デヴィッド:彼の人柄が、この番組の成功につながっているんだよ。
ローリー:その通りね。
――この秋からシーズン9へ突入しますが、元出演者としてこの作品が世界中で愛される理由はどこにあると思いますか?
ローリー:私が思うに、この番組が人間性を語る道徳的な物語だからだわ。言葉や国が違っても、共感することができるのよね。人とはなにかというのを探し続けているの。世界の終わりに何をするか、あなたはどんな人間なのかってね。
デヴィッド:僕もそう思うよ。たくさんのキャラクターの物語はもちろん、ウォーカーなどが出てくるけど、それだけじゃないんだ。人間関係だったり、彼らが死と隣り合わせの危険にさらされたり、見どころがたくさんあるよね。だから、僕はこのシリーズが大好きなんだよ。
インタビュー後、「ハリコン」を楽しみにしているファンへのメッセージを頂きました! お天気が心配ですが、ファンの皆さんに会えるのを楽しみにしているそうです! 台風が来てしまったら、その間は二人で寄り添うそうです。かわいいですね!
デヴィッドとローリーに会える「ハリウッド・コレクターズ・コンベンションNo.16」開催概要は以下の通り。
■7月28日(土)
【会場】アルカディア市ヶ谷(私学会館)
〒102-0073 東京都千代田区九段北4丁目2−25
■7月29日(日)
【会場】ザ・プリンス パークタワー東京(宴会場)
〒105-8563 東京都港区芝公園4丁目8-1
【入場料】無料(※俳優によるサイン会・撮影は有料)
【チケット購入先】https://hollycontokyo.com/Home
【公式サイト】http://hollycon.jp/
Photo:『ウォーキング・デッド』シーズン3より ©Gene Page/AMC