米ABCの人気レスキュードラマ『9-1-1:LA救命最前線』のシーズン8では、ある主要キャラクターの死が描かれ視聴者に衝撃を与えた。そのシーンの影響について、バックことエバン・バックリー役のオリヴァー・スタークがコメントした。
以下、『9-1-1』シーズン8の重大なネタバレがあるのでご注意ください。
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シリーズ初の主要キャラの死、その波紋
過酷な現場で人命救助にあたる人々の活躍を描く本作だが、オリジナルキャラクターが命を落とすのは今回が初めてだった。共同クリエイターでショーランナーのティム・マイナによると、この展開は番組の核とも言える“命に関わる緊急事態”に緊張感を与えるためだったという。しかし、この説明を受けても納得できない視聴者が多く、一部からはドラマのボイコットを呼びかける声さえ上がっている。
ABCのイベント「End of Summer Soirée」で米Deadlineの取材に応じたオリヴァーは、ボビーの死に対する視聴者からの反応についてコメント。オリヴァーは、ボビーの死に対する視聴者の怒りは意図されたことだと説明した。
「傷つき、動揺し、物語に入り込み、あるエピソードでは幸せを感じ、別のエピソードでは悲しみを感じることが大切なのです。テレビや映画を作る目的は、人々を感情のジェットコースターに乗せることだと思います。私にとって、人々が痛みを感じるよう意図されたもので実際に傷ついているのなら、それは私たちが正しい道を歩み、正しいことをしている証拠なのです。ですから、私は視聴者のみなさんが感情を注いでくれることに感謝しています」
ボビーの死が『9-1-1』にもたらすもの
ボビーの死をめぐる議論は、『9-1-1』という作品の性質そのものに関する議論になっている。ボビーの死に納得できない視聴者は、この作品は(人命救助を描いていても)現実主義的で骨太なドラマではないと主張。キャラクターたちが困難に直面しても、作品の本質は仲間たちと一緒に時間を過ごすことに軸を置く「コンフォート番組」だと訴えている。
そのような描き方は、浮き沈みはあっても全体として取り返しのつかない事態は起きないシットコムのような安心感を与えていたのかもしれない。
しかし、ボビーの死でその均衡は崩れた。シリーズが始まりよりも終わりに近づいているこのタイミングで作品のダイナミズムが変わり、ファンにとって『9-1-1』は安心して視聴できる作品ではなくなったのだ。
オリヴァーの説明によれば、この変化は意図されたものだというが、シーズン8を過ぎたいま、ここからボビーの死を意味あるものにしていけるのか、変革的な何かを成し遂げられるのかは、見通すことはできない。それでも、この衝撃を無駄にしないためにも、どうにかプラスの方向に働かせてほしいと願うばかりだ。
衝撃の展開が描かれた『9-1-1:LA救命最前線』シーズン8はDisney+(ディズニープラス)で配信中。(海外ドラマNAVI)
参考元:Screen Rant