『ドクター・フー』15代ドクターが降板理由、新ドクターについて語る

人気SFドラマ『ドクター・フー』の15代目ドクターを演じたンクーティ・ガトワが、シーズン15ラストで突然降板したことは当サイトでお伝えした通り。わずか2シーズンでターディスでの任務期間を終えた彼が、その胸中を明かした。英Radio Timesが伝えている。

（※この記事は、2005年から始まったリバイバル版のシーズン15フィナーレに関するネタバレを含みますのでご注意ください）

ンクーティ・ガトワ、降板の理由に言及

ンクーティ演じる15代目ドクターは、シーズン14で新たに登場すると、翌シーズン15のフィナーレ「現実戦争」で世界の危機を前に巨大な敵と対峙。一人の少女の命を救うために自らの命を犠牲にするという最期を遂げた。ンクーティはこれにより、1シーズンのみで去った9代目ドクターのクリストファー・エクルストン以来の、3シーズン未満でドクター役を終えた俳優となった。

そして再生の瞬間、ドクターが新たに得た姿は、なんとビリー・パイパーであった。ビリーといえば、2005年に復活した新シリーズの初代コンパニオンであり、絶大な人気を誇るローズ・タイラー役で知られる。彼女の登場は、まさにファンにとって最大のサプライズとなったが、彼女が本当に次のドクターになるのかはまだ定かではない。

英BBCのトーク番組に出演したンクーティは、同局が誇る人気シリーズを去った理由について次のように語った。

「歳を重ねて、身体が疲れてしまったんですよ。ドクター役は、世界で最も素晴らしい仕事の一つです。どんな俳優でも夢見る役ですよ。ただ、それだけ大きな役だからこそ、過酷でもあります。演じている間は、身体も心も精神もすり減っていきます。だから…ここが潮時だと感じました」

ンクーティがドクターを演じるプレッシャーについて言及したのは、これが初めてではない。降板後にYouTubeの番組公式チャンネルで公開された舞台裏映像の中でも、同じようなことを話していた。「短期間でこの役を終えるのは、もともとの計画でした。なぜなら、この役は身体的にも精神的にも心理的にも多くを求められるからです。残念ながら、ドクターを演じる俳優はただの俳優であり、不死身ではありません。可能ならば、残りの人生、この役をフルタイムで演じ続けるエネルギーと若さが欲しいけれど、僕の膝が“もう限界”と告げているんです」

ドクターを演じる上で大きな負担を感じていたンクーティだが、将来『ドクター・フー』の世界に帰ってくる可能性を否定はしなかった。トーク番組の中で、10代目ドクターのデヴィッド・テナントのように再び登場することもあり得るかを問われると、「絶対にないとは言えません」と含みを持たせた。

新ドクターは噂のあの人？前任者たちの意見とは

シーズン15ラストエピソードのクレジットで、ビリーは「ドクター」として紹介されなかった。このことから、ファンの間では「彼女は何かしらによってドクターと身体が入れ替わったローズとして再登場するのではないか」あるいは「まったく別の何かが起きているのではないか」といった憶測が飛び交っている。

ンクーティは別番組に出演した際、「次のドクターが誰なのか、僕は本当に知らないんです。でも、僕でないことだけは確かですね」と語っていた。

ビリーの復帰に困惑している元ドクターはンクーティだけではない。5代目ドクターを演じたピーター・デイヴィソンも、「ビリー・パイパーが何をしているのか、僕には分からない。何が何だかさっぱりだ！　まったくクレイジーなアイデアだよ。僕は彼女がドクターだとは思わない。これじゃあまるで、最終回に手榴弾を投げ込んで”これは一体何だ？”と視聴者を驚かせるようなものだろう」と話している。

「誰が16代目ドクターを演じるのか」は大きな関心事だが、それ以前に「そもそも『ドクター・フー』の新作は今後作られるのか？　作られるなら、それはいつになるのか？」という大きな問題が存在する。BBCとディズニーによる同作共同製作契約が更新されるかは未定。更新されなければ、シリーズの今後に少なからず影響を与えることになるだろう。

とはいえ、ファンには当面の楽しみとして、新作スピンオフ『The War Between the Land and the Sea（原題）』が控えている。また、本編とは独立したシリーズとして、子ども向けチャンネルCBeebiesで未就学児向けのスピンオフアニメが制作されることも決定した。

『ドクター・フー』シーズン1～13はHulu（フールー）で、シーズン14～15はDisney+（ディズニープラス）で配信中。

（海外ドラマNAVI）

参考元：英Radio Times①、Radio Times②