『ドクター・フー』で2005年に9代目ドクターを演じたクリストファー・エクルストンは、本作をわずか1シーズンで降板したことを後悔していると述べた。
この発言は、オーストラリアのラジオ局774 ABCメルボルンの番組『Drive』のインタビューの中で飛び出したもの。長い空白期を経て復活を果たした本作のシーズン1について、クリストファーは「ひどく雑然として、粗悪な制作現場だった」と思い返し、それでも混沌の中でやり通した自分の仕事を誇りにしていると話した。
その上で、"シーズン2に続投しなかったことの後悔はありますか?"と尋ねられたクリストファーは、「ああいう役を演じる時にはいつも後悔がつきまとうものだ。後で見返した時に、次はこうしようと、演技の調整を図るものだけど、続けなかったのはとても残念だった。ドクターは素晴らしいキャラクターで、演じることにプロとしての誇りがものすごくあった。シーズン2をやっていたら演技は著しく進歩していただろう」とコメント。
さらに、「ライトコメディ(軽喜劇)を演じるための新しいスキルを、僕は習得している最中だった。ライトコメディで知られた役者ではなかったからね。でも、制作現場はそれを許してはくれなかった」と続けている。
このインタビューではエピソード監督への批判も飛び出しており、「シーズン1においては、理性的な選択がとても大事だ。予算を超えることになったとしても、第1話では、出演者が演じやすいように、シーズンの基調を定められる監督を起用しなければならない。でもそれは起きなかった。大惨事だったよ」と、クリストファーは監督との連携がうまくいかなかったと明かしている。
ちなみに、この第1話を監督したのは、『ミステリー in パラダイス』などにも参加したキース・ボーク。『ドクター・フー』シーズン1では第1話を含む計3話を監督しているが、以後のシーズンには参加していない。
クリストファーは過去にも降板の理由を明かしたことがあったが、今回はさらに一歩踏み込んだ発言となっているようだ。『ドクター・フー』降板の後、米HBOのTVシリーズ『LEFTOVERS/残された世界』や、マーベル映画『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』などに出演したクリストファーは、『ドクター・フー』50周年記念エピソードへの出演は残念ながら辞退していた。しかし、もし本人にその気があれば、ぜひとも今後のエピソードで再出演を果たしてほしいものだ。(海外ドラマNAVI)
Photo:クリストファー・エクルストン(『ドクター・フー』)
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