
パンデミック後の世界を舞台に、人間の希望と喪失を描いたドラマ『THE LAST OF US』。同名の大ヒットゲームを原作とする本作は、2023年に放送されたシーズン1で高い評価を受け、2024年のエミー賞では作品賞を含む8部門を受賞するなど、名実ともにHBOを代表する一作となった。そんな話題作のシーズン2がU-NEXTにて配信開始! 新たな仲間として登場したディーナとジェシーという二人を演じるイザベラ・メルセドとヤング・マジノにインタビュー。『THE LAST OF US』の世界に飛び込む心境や、ジェクソンのコミュニティで育まれる友情と絆について、たっぷりと語ってもらった。
イザベラ・メルセドとヤング・マジノにインタビュー
――このような人気作にシーズン2から参加するお気持ちはいかがでしたか。また撮影の初日はいかがでしたか。
イザベラ:とてもドキドキしました。でも、いつもそういう時はその緊張した気持ちのままでいるようにして、"なるようになる"というふうに考えています。初日は、新しい学校に転校してきた子どものような感じでしたが、皆とても優しく、特に(クリエイターの)クレイグとベラ(・ラムジー)が暖かく迎えてくれました。なので、すぐに安心できました。
ヤング:同じですね。個人的にはジャクソンのセットのすごさに圧倒されました。本物の木製のゲートに、ちゃんと建設された町、スタッフもものすごい数いましたし。でも実際に撮影が始まると、プレッシャーを感じなくなり自然にいい作品を作ろうという気持ちになりました。
――カナダでのロケは気候の面でも大変だったと思います。毎日身体的にも精神的にも大変な撮影の後どのように気持ちを切り替えて過ごしていましたか。
イザベラ:カナダはすごく綺麗だったので、ハイキングをよくしました。自然に囲まれていたらすぐに気分転換できました。
ヤング:そうですね。とても綺麗な場所でした。川が近くにあるところがお気に入りで、そこで音楽を聴きながらバスケをしたりしました。
イザベラ:(ヤングを見て)自転車も乗ってたよね?
ヤング:乗ってた、乗ってた。大好きで乗り回してたよ。ロケが終わった時に盗まれたけどね。
イザベラ:思い出した!そうだあの話!
ヤング:(笑)
イザベラ:ヤングが一度、自転車でセットに来たことがあるんです。そしたらすごいスタッフから怒られてて。あれ、なんで怒られたの?
ヤング:今でもわからない。けど多分(宿泊地が)すごい遠くでロケ地まで自転車で来たからかな? けど、バンクーバーだよ? あんな綺麗なところ自転車乗らないなんてありえないから。
イザベラ:風をきって髪グチャグチャにして乗ってたんでしょ。
ヤング:そう。自然の中にいるって最高だったね(笑)
――盗難にあった自転車は戻ってきましたか?
二人:全然。戻ってきませんでした。
ヤング:でもタイヤ一つだけは残ってたんです。
イザベラ:そうそう(笑)タイヤ一つ(笑)
二人:爆笑
――ディーナとジェシーは素晴らしい関係にある二人ですが、このケミストリーを生み出すために事前に打ち合わせなどしましたか。
イザベラ:私は、役者間のケミストリーというものは生み出すものではなく、自然にあるかないか、だと思っています。ベラ(エリー役)とヤングの二人にはそれがあったので、とてもラッキーでした。プロダクションの前は、乗馬の練習や他の準備など、緊張しながらやっているので打ち合わせの暇などもないんです。もちろん、リハーサルなど一緒にやりますが、すでにそこではケミストリーがあったんです。
――アクションや暴力的なシーンが多々ある本作ですが、根本的にはヒューマンドラマだと言われています。お二人もそう思いますか。
ヤング:アクションや暴力的なシーンというのは、人間のドラマの上に成り立っているものです。その逆の流れはないと思います。別れのシーンに暴力はないですしね。愛のために、信じるもののために、という人間の心が基板で、それがアクションや暴力シーンに繋がっていくのだと思います。
イザベラ:シーズン2の第一話で、ディーナとエリーが、まるで趣味かゲームかのように、楽しそうにクリッカーを始末していくシーンがあります。暴力的な光景ではありますが、そこにはこの若い二人の思春期のような、まだ大人になりきれていない若さゆえのカジュアルな言動が描かれていて、そういう意味でも人間のドラマが散りばめられていると思います。
――アクションが多いという話ですが、具体的にどのような準備やトレーニングをしましたか。
ヤング:スタントやアクションには欠かせない業界のレジェンドであるダニー・ヴァーチューの所有するカナダの牧場でトレーニングしました。(ダニーはハリウッドの作品1000本以上を手掛けるプロデューサー/監督/スタント/乗馬コーディネーター)そこで各自馬を与えられ乗りこなしたり、銃を使ったりという練習をしました。
イザベラ:あとはジムで走ったりの有酸素運動ですね。
――イザベラに質問です。ディーナとエリーの関係は本作でかなり重要なポイントになりますが、事前に打ち合わせ等しましたか。
イザベラ:初日からエリー役のベラとはすでにケミストリーがありました。最初のシーンは、ロケ初日に撮ったんです。ベラはとても才能があって、忍耐強く優しい人だったので、共演できてとても嬉しかったです。
――エリー、ディーナ、ジェシーの三人の関係は非常に複雑でダイナミックなものですね。彼らの関係をどう思いますか。
イザベラ:三人の関係は、一般的な三角関係ではありません。嫉妬や怒りというものはありませんから。(ヤング演じる)ジェシーはとても辛抱強いキャラクターなので、"(ディーナとエリーのことを)うん、わかった、大丈夫"みたいに納得してくれるんです。
ヤング:彼らの三角関係を思い描くとしたら、ジェシーとエリーは底辺の2点で、太陽のような存在のディーナが三角形の頂点にいるんです。ジェシーとエリーにとっては、このような世紀末という暗い世界を照らしてくれるディーナがとても眩しく見えるんです。
イザベラ:とてもプラトニックですよね。ジェシーとエリーもお互いを尊敬していますしね。
――もし本当に世紀末になったら、誰が生き残ると思いますか。一人でなく、皆と一緒に行動しますか。
イザベル:私かヤングも含めて? だったらヤングは楽しいしいい人だし命に関わるようなときでもやっていけそう。でも多分ずっと一緒にはいないですね。自転車乗っていたらクリッカーに追いかけられるし(笑)
ヤング:自転車に乗って逃げるのは最悪だね。(笑)
イザベル:自転車の音で永遠に追いかけられるから!(笑)
『THE LAST OF US』シーズン1~2配信情報

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・『THE LAST OF US』シーズン1
U-NEXTにて全話配信中
・『THE LAST OF US』シーズン2(全7話)
【字幕版】U-NEXTにて4月14日(月)第1話配信開始 以降毎週月曜週次配信
【日本語吹替版】2025年6月配信予定
【視聴ページ】
・『THE LAST OF US』シーズン1
・『THE LAST OF US』シーズン2
関連インタビュー記事
・アビー役ケイトリン・デヴァー
・製作総指揮クレイグ・メイジン
・エリー役ベラ・ラムジー
・トミー役ガブリエル・ルナ&マリア役ルティナ・ウェスリー
・ゲーム版脚本家ニール・ドラックマン&ハレー・グロス
(取材・翻訳/Erina Austen)
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