Amazon『Fleabag フリーバッグ』がシーズン2で終了した理由

Amazon Prime Videoの人気英コメディドラマ『Fleabag フリーバッグ』が批評家からも高い評価を獲得したにも関わらず、なぜシーズン2で終わったのか。その理由についてScreen Rantが伝えている。

 

シーズン2への復帰にも躊躇していた

『キリング・イヴ/Killing Eve』を手掛けたフィービー・ウォーラー=ブリッジによるひとり劇をシリーズ化し、批評家からも高い評価を獲得した『Fleabag フリーバッグ』。フィービー自ら主演を務めて、独りでカフェを営むセックス依存症気味の主人公フリーバッグの日常生活を描き出した本作はエミー賞やゴールデン・グローブ賞、英国アカデミー賞(BAFTA)のコメディ部門を席巻。もっと続きを見たいというファンの声は絶えないが、なぜシーズン2で終了してしまったのだろうか?

劇的な成功を収めたにも関わらずシーズン2で終了した理由はシンプルにフィービー自身が、物語が完結したと感じたからだとか。シーズン1の冒頭で、フリーバッグは自分の人生の混乱を対処するためにセックスを手段として使っている。親友の死に対する罪悪感や、困難な家族関係、そして経営がうまくいかないカフェなどがその背景にあると描かれた。そしてシーズン2終盤で、フリーバッグはそれを認め、ようやく前向きな方法で人生を進める準備ができたことを実感する。この甘く切ない結末をもって、ドラマは終了したというのがフィービーの考えのようだ。

そもそもシーズン2が製作されたことにも感謝すべきかもしれない。というのも姉クレア役を演じたショーン・クリフォードいわく、フィービーはシーズン1で満足しており、シーズン2に取り組むよう説得されなければならなかったというのだ。「私は、非常に渋っていたフィービーにシーズン2を作るように励ました人の一人でした」と説明したショーン。フィービーはシーズン1で物語が十分に語られたと感じ、第四の壁をどう新鮮に保つかが見えなかったため、シーズン2への復帰に躊躇していたというが、他のキャラクターと一緒に第四の壁を壊すというアイデアを思いついたことで、シーズン2に乗り気になったのだとか。

その“他のキャラクター”というのは、『SHERLOCK/シャーロック』のアンドリュー・スコット演じるイケメン神父。このアイデアが浮かんだ時のことについて「興奮しました。それからまた書き始めることができると感じたんです」と振り返ったフィービー。いつか人生の後半で『Fleabag フリーバッグ』に戻ってきたいという夢を語っているが、それには同じように強いインスピレーションが必要だとも明言している。

フィービーがいつかフリーバッグの物語の続きを描きたいと考えているというのは、ファンにとって嬉しい限り。彼女を刺激するアイデアが降りてくる日を気長に待ちたい。

『Fleabag フリーバッグ』は、Amazonプライムビデオにて配信中。(海外ドラマNAVI)

Photo:© 2016 Amazon Studios