『フリーバッグ』で神父だけが"第四の壁"を超えられた理由は?クリエイターが明かす

Amazon Prime Videoの人気英コメディドラマ『Fleabag フリーバッグ』でクリエイター・主演を務めるフィービー・ウォーラー=ブリッジが、シーズン2に登場したイケメン神父(アンドリュー・スコット『SHERLOCK/シャーロック』)だけがなぜ"第四の壁"を超えることができたのかについて理由を明かした。英Digital Spyが報じている。

『フリーバッグ』は、独りでカフェを営むセックス依存症気味の主人公フリーバッグの日常生活が、ブラックユーモアをたっぷり絡めながら描かれるコメディシリーズ。

劇中ではフリーバッグが、カメラに向かって独り言を言うシーンがところどころに投入されている。だが、他のキャラクターはカメラに語りかける彼女の行動にまったく気づいていないのに対し、イケメン神父だけはそれに気づき、「誰に話してるの?」とフリーバッグに聞き、カメラを除き込んで叫ぶシーンまであった。

フリーバッグは、演劇用語で"第四の壁"と呼ばれる、フィクションと現実の間を隔てる壁を超えて視聴者に語りかけている訳だが、なぜイケメン神父だけフリーバッグと同じように第四の壁を破ることができたのか、フィービーが明かしている。

英国アカデミー賞のバーチャル特別番組の一環として配信された「The Making of Fleabag」に出演した彼女が、シリーズの製作秘話を語った。カメラに語りかけて視聴者と関わっているフリーバッグと、同じように神との結びつきを持っている神父との関係を反映してシンクロさせるために、視聴者に話しかけるフリーバッグの行動とカメラの存在に神父が気づく展開にしたと述べている。

言ってみればフリーバッグがカメラと視聴者に常に見られているように、神父は神に見守られており、そういった共通点により、他のキャラクターとは違って彼だけが、第四の壁の存在を察知できたのだと説明していた。

フィービーは、ルーク・ジェニングスによる小説をドラマ化した米BBC Americaのスパイドラマ『キリング ・イヴ/Killing Eve』でクリエイター・製作総指揮を務め、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』でも共同脚本を手掛けている。そんな多忙を極めるフィービーは、現時点では『フリーバッグ』シーズン3を製作する計画はないが、いつかフリーバッグの物語を続けられたらと展望を語っていた。

エミー賞やゴールデン・グローブ賞のコメディ部門を席捲し、高い評価を得た『Fleabag フリーバッグ』シーズン1&2はAmazon Prime Videoにて配信中。WOWOWプライムにて8月17日(月)よりシーズン1と2を2週にわたって一挙再放送する。(海外ドラマNAVI)

Photo:『Fleabag フリーバッグ』シーズン2(c) 2019 Fleabag Productions Limited