『マンハッタンに恋をして ~キャリーの日記~』がシーズン2で打ち切られた理由
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世界中で大旋風を巻き起こした人気ドラマ『SEX AND THE CITY』。その主人公キャリーの青春時代を描いた前日譚ドラマ『マンハッタンに恋をして ~キャリーの日記~』。『エルヴィス』のオースティン・バトラーも出演していた本作は高い評価を得ていたにも関わらず、なぜシーズン2をもって打ち切られてしまったのだろうか?

 

『マンハッタンに恋をして』打ち切りの理由はその時期に?

『マンハッタンに恋をして』の舞台は、まだキャリーが高校生だった1984年。シーズン1では、キャリー(アナソフィア・ロブ『チャーリーとチョコレート工場』)がニューヨークの法律事務所でインターンをしながら、密かに雑誌社で活躍する様子を追い、シーズン2では大人の世界に一歩踏み込みつつある彼女が、恋愛やキャリアについて複雑な選択に直面しながらも、自己発見の旅を続ける姿が描かれた。

前日譚では、本家シリーズに登場しなかったキャリーの家族や故郷での物語が中心となり、全く異なるトーンが印象的で、ファンと批評家から好評を得ていた。しかし前日譚は、シリーズを製作・放送した米CWの過渡期にリリースされたことで、命運を分けることとなった。

シーズン1が放送開始された2013年は、同局の人気看板青春ドラマ『ゴシップガール』が終了したばかりで、DCドラマ『ARROW/アロー』シーズン1が人気沸騰していた時期だ。これは、CWにおけるティーンドラマ時代の終焉と、DCスーパーヒーローに焦点を当てた時代の始まりを意味していた。

もし、『マンハッタンに恋をして』が、CWが積極的に青春ドラマを展開していた時代に放送開始されていたら、シーズン2以上続いていた可能性もあっただろう。

しかし、『ARROW』に続いて放送開始された『THE FLASH/フラッシュ』の視聴率も順調で、CWは局の方針を転換。シーズン2の視聴率が低下した『マンハッタンに恋をして』は、局の新ベンチャーに道を譲ることとなった。

最終回も高評価を得ていた『マンハッタンに恋をして』

とはいえ『マンハッタンに恋をして』は、スピンオフでも独自の魂を持つことができることを証明した、画期的なドラマシリーズであることに変わりはない。米Colliderは、ティーンエイジャーの視点で性に関するテーマを扱いながらも、『SEX AND THE CITY』に繋がる展開にはならず、その期待に押し潰されることもなかったと評価。キャンセルになったものの、最終回は十分に満足できるものだったとしている。

『マンハッタンに恋をして』は残念ながらシーズン2で幕を閉じたが、本家シリーズは、後日譚ドラマ『AND JUST LIKE THAT.../セックス・アンド・ザ・シティ新章』として復活。キャリー(サラ・ジェシカ・パーカー)とミランダ(シンシア・ニクソン、シャーロット(クリスティン・デイヴィス)がカムバックし、2025年に米Maxにてシーズン3が配信開始予定だ。

『AND JUST LIKE THAT.../セックス・アンド・ザ・シティ新章』シーズン1~2、『SEX AND THE CITY』全シーズンはU-NEXTにて配信中。(海外ドラマNAVI)