『NCIS』最近の傾向から見る、将来が不安なスピンオフ作品は?

米CBSの長寿ドラマ『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』は、これまでに数多くのスピンオフを生み出してきた人気フランチャイズ。2023年には、『NCIS: シドニー』が放送スタートして新スピンオフ2本が待機中だが、キャンセルが不安なスピンオフについて、米Screen Rantが論じているので紹介したい。

 

特定の場所に特化したスピンオフは弱い傾向に?

これまでに『NCIS』フランチャイズでは本家の他に、『NCIS:LA ~極秘潜入捜査班』『NCIS:ニューオーリンズ』『NCIS:ハワイ』が放送され、現在は『NCIS:シドニー』が進行中だ。

『NCIS:LA』は14シーズンにわたって続いた長寿スピンオフだが、『NCIS:ニューオーリンズ』は7シーズンで幕を閉じ、『NCIS:ハワイ』にいたっては3シーズンで打ち切りに。スピンオフは、都会や本土を離れるほど短命に終わりやすいようで、Screen Rantは特定の場所に特化したスピンオフは弱い傾向にあると指摘している。

では、アメリカから遠く離れた『NCIS:シドニー』の将来は、どうなるだろうか? このシリーズは初の国際版スピンオフとなり、ロケーションの美しさや、アメリカとオーストラリアの捜査チームが協力するコンセプトなど、これまでにフランチャイズで扱われなかった要素が投入されている点が魅力だ。しかし、次々に特定の都市を基盤にしたスピンオフが打ち切られていることを鑑みると、『NCIS:シドニー』がキャンセルの憂き目に遭う可能性は高いとも考えられる。

『NCIS:シドニー』シーズン1の評価はまちまちだったが、すでにシーズン2に更新されており、2025年に放送開始予定の新シーズンで番組の人気を定着させられるかどうかが、シリーズ継続の命運を分けることになりそうだ。

対して、『NCIS』で待機中の新スピンオフ『NCIS:Origins(原題)』は、本家シリーズでシーズン19前半まで捜査チームを率いたリロイ・ジェスロ・ギブス(マーク・ハーモン)の若かりし頃を描くシリーズ。もう1本のスピンオフは本家の人気キャラクター、アンソニー・“トニー”・ディノッゾとジヴァ・ダヴィードを主人公にした後日譚『NCIS:トニー&ジヴァ』だ。両キャラクターを演じたマイケル・ウェザリーとコート・デ・パブロが揃って復帰することから、早くも大きな期待がかかっている。

新スピンオフ2本のコンセプトは、すでに本家で地位を確立した人気キャラクターが軸となり、CBSはファンのノスタルジアに働きかけているようにも見える。ロケーションに特化したスピンオフが過去に伸び悩んだことを踏まえ、CBSは違う方向性を試しているのかもしれない。その意図が吉と出るかは、放送後の反響で判断するしかないだろう。

『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』シーズン22は、米CBSにて10月14日(月)より放送開始。シーズン1~20はHulu、シーズン21はDlifeにて配信中。『NCIS:Origins』は、CBSにて10月14日より放送スタート。

(海外ドラマNAVI)

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